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CSR活動

「ポレポレ基金」活動レポート (2011年10月1日~12月31日)カフジ・ビエガ国立公園における類人猿の保護活動と環境教育
(2011年11月~2012年1月)

11月28日に行われた大統領選挙によって、コンゴ民主共和国各地でトラブルが相次ぎました。死者や負傷者が出たところもありましたが、幸いポポフが活動しているカフジ・ビエガ国立公園では平静な情勢が保たれており、保護や教育活動は順調に進んでいます。前回のレポートでポポフの活動が、1)ゴリラをはじめとする野生動物のモニタリング、2)苗木センターの運営、3)環境教育、4)アートセンターの運営であることを紹介しました。今回のレポートでは、1)と2)を詳しく報告しましょう。

ゴリラをはじめとする野生動物のモニタリング

現在、カフジで人に馴らしているゴリラの集団は6群あり、すべての個体に名前が付けられています。1群はガニャムルメ集団といって1991年から研究用に人付けされ、コンゴ中央科学研究所のカニュニ・バサボセ博士が中心となって毎日追跡し、移動ルートを地図上に書き込むとともに、観察記録をつけています。現在、背中が白いシルバーバックが1頭とおとなのメスが8頭、子どものゴリラが5頭います。

ガニャムルメガニャムルメ

ガニャムルメの行動域にはチンパンジーの1集団が暮らしていて、カボコ集団と名付けられています。おとなのチンパンジーには名前が付けられていて、子どもと合わせて約20頭の個体がいることがわかっています。さて、これまでゴリラとチンパンジーは全く違う食物を好み、暮らし方も違うと思われてきましたが、私たちの調査で実はよく似ていることがわかってきました。ゴリラもチンパンジーも同じように熟したフルーツが大好きで、同じ木を採食にも寝場所にも用いているのです。彼らがけんかもせずに仲良く暮らしているのは、フルーツが少ない時期に食べ物や食べ方を変えているからなのです。今回これらの発見を論文にまとめ、Springer社から出版されたLong-term Field Studies of Primates(2012)という本の1章に掲載することができましたまた、観光用に人付けされているゴリラの集団は5つあり、なかでもチマヌーカ集団は34頭からなる大集団です。2003年以来、4組の双子が生まれていて、そのうち3組が立派に育っています。

チマヌーカ集団の子どもゴリラチマヌーカ集団の子どもゴリラ

ポポフでは、ここ数年来「シルバーバック・キングダム」というゴリラツアーを企画しています。これらのゴリラ集団に暮らすそれぞれのゴリラの名前を覚え、ゴリラたちの行動を解説するのがガイドの役目です。ポポフ代表のジョン・カヘークワはこの公園で長年ガイド長を務め、すべてのゴリラの顔を知っています。11月から公園長に依頼されて、国立公園のガイドたちに個体識別とゴリラの行動観察の方法を教えています。最近、6番目のゴリラ集団が人付けされ、シブララ(平和を求める人)と名付けられました。平和が早く来てほしいという人々の希望が託されています。

カフジ・ビエガ国立公園でモニターされているゴリラ集団の現在の構成

集団名 シルバー
バック
ブラック
バック
オトナメス ワカモノ コドモ アカン
ボウ
合計
  13歳以上 8-12歳 8歳以上 6-8歳 3-6歳 0-3歳  
ムガルカ 1           1
チマヌーカ 1   17   3 11 32
ビリンドゥワ 1   3   3 1 8
ムファンザーラ     8 4 1 5 18
ランガ 1   5   1   7
ムプングウェ 1   6       7
ガニャムルメ 1   8   2 2 13
マンコト   1 12 1   2 16
無名 1 1 10     3 15
合計 7 2 69 5 10 24 117

苗木センターの運営

ポポフが経営しているアンガ学校のそばには、生徒たちが耕している畑があります。この畑では自分たちが必要とする野菜を作るとともに、苗木を育てて定期的に近隣の村に配っています。昔は緑の森が広がっていた公園周辺も、度重なる内戦と焼畑耕作によってすっかり丸裸になってしまいました。住民たちは未だに燃料を薪や炭に頼っているので、村に木が無くなれば公園の保護区に侵入して伐採せざるを得なくなります。ゴリラの棲みかが荒らされ、食べ物や寝場所が不足し、排せつ物から人間の病気に感染する危険が増加します。それを防ぐために、植樹をして、薪や建材を村で賄えるようにしようというのです。ポポフの植樹活動はすでに20年近い歴史があり、今では遠くの村からも苗木をもらいに人々がやって来るようになりました。ポポフは村々に植樹され成長した木々をまた建材や燃料として買取り、それを流通させる活動もしています。

ポポフの畑ポポフの畑

苗木を分ける苗木を分ける

こうした活動に携わる生徒たちは、将来、農業や林業をやりたいと希望するようになりました。とてもまじめで成績もよく、コンゴ民主共和国の中学校のなかで3番目に良い成績を誇っています。保護の理念を持って人と自然との共存を図る活動に関わり、ぜひ指導者として活躍して欲しいと思っています。

アンガ小学校アンガ小学校

アンガ中学校アンガ中学校

絵本を読む絵本を読む

カフジ・ビエガ国立公園の地図(ポポフはKahuziと書いてある地域で活動しています)

カフジ・ビエガ国立公園の地図