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CSR活動

「ポレポレ基金」活動レポート (2012年10月1日~12月31日)カフジ・ビエガ国立公園における類人猿の保護活動と環境教育
(2012年11月~2013年1月)

ポポフの創立20周年を祝って間もない11月に、緊急事態が発生しました。ポポフの本部のある南キヴ州の隣に位置する北キヴ州で反政府軍が蜂起し、南下を始めたのです。反政府軍はM23といい、2009年の3月23日に行われた政府軍との和平協定が履行されないのに憤って結成された組織です。大半がツチと呼ばれる民族からなり、ツチ政権の隣国ルワンダが後押しをしているとも言われています。このM23の兵士たちがまたたくうちに北キヴ州の州都ゴマを占拠し、続いて南キヴ州へと南下してきたのです。政府軍は応戦する力もなく、駐在している国連軍は内戦には介入することができず、難民の救援に右往左往するばかりです。国境は閉鎖、警察官や兵士は姿を消し、無政府状態になりました。陸路や湖上交通も止まり、物資の流通が途絶えました。
12月にはポポフの事務所から30キロメートルの地点まで戦火が迫り、人々は高い緊張状態に置かれたのです。混乱に乗じて強盗や略奪が横行し、ポポフの事務所からもパソコン1台が持ち去られました。貯蔵してあった食料も底をつき始め、人々の不安が極度に高まりました。
幸いなことに12月の初めにウガンダの首都カンパラでコンゴ民主共和国とルワンダの大統領が会談し、M23は撤収することになりました。どういう合意が行われたのか詳細は明らかではありませんが、とりあえず最悪の事態は避けることができました。強盗事件があちこちで起きましたが、ポポフの関係者に死傷者が出なかったことが何よりの幸いでした。

栄養改善事業について

混乱が収まってから、ポポフは今後の対策を協議するために女性メンバーを集めて会議を開きました。以前からポポフは子どもたちが飼育できるモルモットを各家庭に配り、数を増やして動物タンパク質の補給をめざしてきました。今回はまだ飼育していない家庭にも新たに配給し、子どもたちに飼育法を教えて学校の行き帰りに餌を採集できるようにしました。
国立公園のそばに居住する人々は野生動物を食料にすることができません。ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジなどの家畜も、今回のように内戦が勃発するとすぐに略奪の対象になるので、人々はなるべく飼養を避けようとします。また、内戦で荷物が強奪にあうため物資の流通が滞って、タンガニーカ湖やエドワード湖の魚が手に入らなくなると、たちまちタンパク質不足に陥るのです。
4年前に私たちが10世帯で食糧の出入りを調べた結果によると、どの家庭でも一人あたり摂取する動物タンパク質は必要量を下回っていました。これでは子どもたちの成長に支障が生じる恐れがあります。ポポフは成長の速いテラピアを養殖する池を作って、魚を各家庭に配る事業も行っています。
いずれも小中学校の子どもたちが世話をしており、とても人気があります。今後もこの事業を拡大して、人々が栄養不足にならないようにしていきたいと思っています。

ポポフの集会に集まった村の女性たちポポフの集会に集まった村の女性たち

モルモットの飼育を指導するモルモットの飼育を指導する

子どもたちでも世話ができるモルモット子どもたちでも世話ができるモルモット

苗木センターの活動

毎年1月に、ポポフが経営するアンガ中学校では、苗木センターで育成した苗木を公園周辺の村に植えます。その代わりに苗木センターに種をまき、新たな苗木を育てます。今回は成長の速いユーカリの他、ナイルチューリップ(Markhamia lutea)、アフリカンチューリップ(Spatodea sp.)、シルキーオーク(Grevillia robsta)という樹種の種子を購入しました。畑仕事のために必要なクワ、ナイフ、手押し車、種まき機も購入しました。おかげで作業がはかどり、みんな喜んでいます。
今年は27,000本の苗木を育てる予定です。これらの苗木が村々で立派に育てば、村人たちが保護区に入って木を伐らなくても、たきぎや建材が自前で手に入れられます。すでに10年前に配った苗木は直径20cmを超えるまでに成長し、人々の役に立っています。雨が降るとぬかるみ、流出が激しかった土壌も、木々が根を張ったおかげでしっかり固まってきました。植林の効果が出てきたと思っています。

ポポフ経営のアンガ中学校で学ぶ生徒たちポポフ経営のアンガ中学校で学ぶ生徒たち

ゴリラの様子

内戦の気配に人々は怯えましたが、保護区内で密猟が増えることはなく、ゴリラたちは平和に暮らしています。すっかり人に馴れて観光客を受け入れているチマヌーカ集団は、12月にタケノコの季節が終わると公園事務所に近い二次林へやってきて、ハゲニアの樹皮を食べるようになりました。この集団には子どもゴリラがたくさんいて、時折訪れる観光客に愛嬌を振りまいています。私たちが研究目的でモニターしているガニャムルメ集団は、比較的若いシルバーバックに率いられてカヤツリグサの湿原に出入りしています。このまま、ゴリラたちに危害が及ぶことなく、平和な日々が続いてほしいものだと願っています。

観光客を受け入れているチマヌーカ観光客を受け入れているチマヌーカ

チマヌーカ集団の赤ん坊チマヌーカ集団の赤ん坊