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CSR活動

「ポレポレ基金」活動レポート (2013年1月1日~3月31日)カフジ・ビエガ国立公園における類人猿の保護活動と環境教育
(2013年2月~4月)

ゴリラの様子

カフジではこのところ政治的混乱もなく、平和な日々が続いています。私たちがモニターしているゴリラのガニャムルメ集団には赤ちゃんが生れ、シルバーバックが母親を気遣う様子が見られます。
観光客を受け入れているチマヌーカ集団は34頭の大集団になりました。これまでに生まれた4組の双子のうち、2組の双子がそろって生存しており、みんなの人気をさらっています。数年前にメスに去られてヒトリゴリラになったオスのムガルカはまだメスを得られず、ひとりぼっちで暮らしています。もう25歳になるので、ふつうのオスならば複数のメスを得て子どもたちに囲まれて暮らしている年ごろです。彼は子どもの頃に人間のかけたワナにかかって、右の手首から先を失いました。そのため、オスのゴリラに特有なドラミングという誇示行動がうまくできません。ドラミングは両掌で交互に胸をたたくのですが、右手がないのでぽこぽこぽこという連続した音が出せないのです。そのためにメスがやってきてくれないのかもしれません。何とか早くメスを得て父親らしさを発揮してほしいものです。

カフジ・ビエガ国立公園で生まれた双子のゴリラカフジ・ビエガ国立公園で生まれた双子のゴリラ

ポポフの支援活動

今は森にワナをかけて野生動物を捕ろうとする人はめっきり減りました。これも私たちが20年前からやっているポレポレ基金(ポポフ)の活動が功を奏しているからです。1996年に内戦が始まったころ、国立公園の監視員は進攻してきた反政府軍に銃を奪われ、密猟を監視することができなくなくなりました。おかげで森の中にワナが急増し、反政府軍やゲリラといっしょに野生動物を銃で狩猟する人が増え、ゴリラの数は半減したのです。ポポフはこうした人々に呼びかけ、密猟を止めて保護活動に加わるならば、優先的に仕事を斡旋することを約束しました。現在、アートセンター、苗木センター、環境教育学級で働いているのはこの呼びかけに応じて密猟を止めた人たちです。
でも、これまでに14人の監視員が森の中で事故にあったり、密猟者や反政府軍と衝突して命を落としました。ポポフはこれらの監視員の未亡人たちに資金を援助して小ビジネスを展開しています。今回は12人の未亡人がキャッサバの粉を引いて、ウズラマメをヤシ油で煮て、食事を市場で販売する活動に資金援助をしています。

露店市で食料品を売る未亡人たち露店市で食料品を売る未亡人たち

キャッサバの粉でもちパンをつくるキャッサバの粉でもちパンをつくる

環境学級の現状

環境学級に入学してくる子どもたちはどんどん増えています。おかげで午前と午後とに生徒を交代して教えていますが、勉強が遅れないように家で学習するための宿題を出しています。でも狭い家には机もなく、弟や妹たちに囲まれて思うように学習することができません。本やノートも持たない子どもたちは、地面やコンクリートを即席の黒板にして友だちと学習することを始めました。偉いものです。ポポフはこれらの子どもたちが学校時間外に利用できるような図書館を建てようと計画中です。

階段のコンクリートを黒板にしてアルファベットの組み合わせで文字を学習する小学生階段のコンクリートを黒板にしてアルファベットの組み合わせで文字を学習する小学生

ガボン共和国ムカラバ国立公園との交流

2月に、ポポフの代表者のジョン・カヘークワがガボン共和国のムカラバ国立公園を訪問しました。昨年9月にポポフ20周年を祝った際、ガボンで生物多様性の保全と住民参加型のエコツーリズムを目指して活動している竹ノ下祐二さんたちがポポフの式典に参加し、ポポフに対してガボンへゴリラツアーのガイド養成のために来てもらうことを要請したのがきっかけでした。
ジョンさんは約1ヶ月ムカラバに滞在し、そこでゴリラの人付け(ゴリラを人間に馴らすこと)をしているガボン人のスタッフたちに、ゴリラたちを観光客に見せる方法や守るべきマナーなどを教えてくれました。また、近隣の村を訪問してゴリラと地元住民との共存を図るにはどうしたらいいか、村の発展にとってどんな考え方が大切かを話してくれました。私たち日本人が話すのではなく、ゴリラツアーを成功させ、地元のNGOを運営している同じアフリカの人から話を聞くとあって、村人たちはいつになく熱心に耳を傾けていたそうです。
ジョンさんはムカラバのゴリラや村人たちの様子をビデオに撮り、それをカフジの人々や環境学級の生徒たちに見せて、アフリカの他の地域で同じような試みがあることを伝え始めました。カフジの人々たちの活動が他のアフリカ地域で模範となっていることを、ポポフの人々はうれしく思っています。これがアフリカで広く同じ志をもつ人々の交流を促進し、ゴリラと人々の共生が普及するきっかけになってくれればと思っているところです。

ガボン共和国ムカラバ国立公園でガイド研修をするジョン・カヘークワさん(右から2番目)ガボン共和国ムカラバ国立公園でガイド研修をするジョン・カヘークワさん(右から2番目)