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CSR活動

「ポレポレ基金」活動レポート (2013年4月1日~6月30日)カフジ・ビエガ国立公園における類人猿の保護活動と環境教育
(2013年5月~7月)

この度、ポレポレ基金の代表者ジョン・カヘークワがWhitley賞を受賞しました。この賞は、世界で活躍している特筆すべき草の根的な自然保護の活動とそのリーダーを称えるもので、1994年に創立されました。これまでに70カ国160の活動が受賞しています。
この財団の理事を務めるデヴィッド・アッテンボロー氏は20周年の記念式典に寄せて、「この授賞の意義はおそらく、世界で自然保護に活躍するリーダーたちが受賞によってネットワークを作り、その直面している多様な課題をグローバルなものとして広めることにある」と述べています。
ジョンさんが受賞したことによって、ポポフの活動は世界に知られることになり、世界各地で繰り広げられているさまざまな自然保護活動と手を組める可能性が大きく広がりました。これは大変喜ばしいことです。
5月2日に、ロンドンで第20回Whitley賞の授賞式が行われ、ここに招かれたジョンさんはアン王女より記念の盾と賞金3万5千ポンド(約500万円)をいただきました。素晴らしいことです。この栄誉を皆さんといっしょにお祝いしたいと思います。受賞理由として、「ヒガシローランドゴリラの保護とその活動は長く危険なものであった。この亜種を救うために生涯をかけて捧げた彼の活動は決してたやすいものではなかった」と述べられています。
ゴリラを対象にしたエコツーリズムは、ウガンダに見られるように、平和なコンゴ民主共和国に貴重な生計の手段をもたらし、保護に貢献してきました。しかし、この20年間でヒガシローランドゴリラの数は80~90%も減少してしまいました。コンゴ民主共和国は世界でも有数な自然資源の豊富な国なのに、世界で最も貧しい国になってしまいました。この国で自然保護の活動を高めていくには、地域コミュニティの保護に対する意見を聞いて理解し、保護教育のプログラムを企画実践し、自然資源の収奪に代わる持続的利用に基づく経済的発展の手段を講じる必要があります。その実践をポポフに期待したいというのです。

Whitley賞授賞式でジョン・カヘークワが挨拶するWhitley賞授賞式でジョン・カヘークワが挨拶する

アン王女と歓談するアン王女と歓談する

これからのポポフの活動

この受賞を契機に、ポポフは活動範囲を拡大することにしました。今までは戦争やその後の政治的、社会的な混乱のために活動の場をカフジ・ビエガ国立公園の高地部に限定してきました。しかし、公園の9割は低地部の熱帯雨林にあり、ここでは戦争中に多くの野生動物が密猟などの被害を受けています。まだ組織だった調査が行われていないのでその実態は不明です。カフジ・ビエガ国立公園はヒガシローランドゴリラが最も多く生息している地域で、そのほとんどは低地部で暮しています。早急にその様子を把握し、保護の対策を打たねばなりません。
また、ヒガシローランドゴリラはタンガニーカ湖の西側にそびえるイトンブエ山地、カフジからさらに西方のコンゴ盆地へ下ったマイコ国立公園にも生息しています。これらの地域のゴリラの生息実態を調べ、地域住民と協力して保護活動を展開したいと考えています。一部の地域のゴリラだけでなく、野生のヒガシローランドゴリラたちを丸ごと保護し、人間と共存できるように関係を改善していくのがポポフの目的だからです。Whitley賞を受賞したことによって、他の地域でさまざまな保護活動をリードしている仲間ができたのはとても幸運なことと思っています。これを生かしてぜひ世界のネットワークに合流し、ポポフの活動を広め、高めていきたいと思います。今後ともぜひ、みなさんのご協力をお願いいたします。

カフジ・ビエガ国立公園の地図(ポポフはKahuziと書いてある地域で活動しています)

カフジ・ビエガ国立公園の地図(ポポフはKahuziと書いてある地域で活動しています)

トゥワ人への支援活動

さて、カフジでは国立公園の設立(1970年)以来、保護区に以前居住していた狩猟採集民トゥワ人の文化と生活を支えることが大きな課題となってきました。私たちはゴリラや森林植生のモニタリングに積極的にトゥワ人の人々を雇用し、彼らの伝統的な知識が消失しないように努力を払ってきました。この度、カフジ・ビエガ国立公園に隣接する土地を買い上げ、調査に従事する人々とその親族の居住地の整備を行いました。
現在はまだ政治情勢が不穏なためにエコツーリズムの規模を拡大するには至っていませんが、平和になればここにもツーリズムの拠点を設ける予定です。ウガンダのブウィンディ国立公園で「バトゥワ・トレール」というツーリズムのメニューがあります。これは保護区に昔居住していたトゥワ人の人々がツーリストを直接案内し、昔の居住地や猟場を訪問してトゥワの歴史を語るツアーです。同時に自分たちが制作した民芸品を売って生計を立てています。このメニューをカフジでも導入しようとわけです。

狩猟採集民トゥワ人たちの新しい居住地狩猟採集民トゥワ人たちの新しい居住地

ゴリラ調査に励むトゥワ人の人々ゴリラ調査に励むトゥワ人の人々

現在、ゴリラとチンパンジーの共同研究のために来日しているバサボセ・カニュニさんが、こういった試みを5月に名古屋市のあいち国際プラザで開かれたフェアトレードの催しや、6月に京都で開かれたポポフ報告会で紹介してくれました。今後もできるだけ現地の様子を日本のみなさんに伝えながら、ゴリラの保護を推進していこうと思っています。

ツルイラクサを食べる調査集団ガニャムルメのリーダーツルイラクサを食べる調査集団ガニャムルメのリーダー

シルバーバックの背に乗ってご満悦の子どもゴリラシルバーバックの背に乗ってご満悦の子どもゴリラ