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CSR活動

「ポレポレ基金」活動レポート(2014年8月1日~10月31日)ポポフの環境教育学級の最上級生全員が大学入学資格を取得しました(2014年8月~10月)

支援する学校が国でトップクラスに

ポポフが支援する環境教育学級アンガ学校は、幼稚園、小学校、中学校あわせて1,000人近い子どもたちが学んでいます。中学校は6年制で、日本の中学校と高校を合わせたような仕組みになっています。アンガ学校の最上級生は34人いますが、今年8月に行われたバカロレア(大学入学資格テスト)で全員が合格しました。バカロレアとは、フランスで実施されている国による大学入学資格を与えるための試験で、全国一斉に実施されます。フランス語圏ではこのバカロレアを採用している国が多く、ポポフ本部のあるコンゴ民主共和国にもバカロレアがあります。つまり、アンガ学校の最上級生は全員、大学へ進学する資格を得たことになります。これは快挙です!
西ヨーロッパに匹敵するほどの大きな国土を持つコンゴ民主共和国では、バカロレアが大都市でしか実施されません。このため、森の奥に住んでいる生徒たちは、長い距離を旅して大都市へ向かい、そこで試験を受けねばなりません。アンガ学校の生徒たちも40キロメートル離れた都市ブカブへ遠征して試験を受けました。ポポフは車を借り受けて生徒たちを運び、みんな親戚や友人たちの家に泊まり込んでの受験でした。教科書や帳面も買えない状況で、みんな先生の授業を必死にノートにとり、励ましあいながら勉強した成果です。生徒たちも親たちもみんなとても喜んでいます。
アンガ学校の生徒たちがバカロレアを受けるのはこれで5回目になりました。いずれの年もいい成績で、いつも全国で5位以内に入っています。こんな小さな村の子どもたちが人口5千万人を超えるコンゴ民主共和国のトップクラスの成績を残すなんて誰も予想していませんでした。これからも地元の誇りになるようないい成績を残してほしいものです。ただ、問題はバカロレアに合格した生徒たちが大学に進むためにはお金が必要だということです。1千キロメートル以上も離れた首都のキンシャサへ行ってキンシャサ大学で勉強するには、旅費も生活費も大変高額です。地元のブカブ大学でも、授業料が年間500ドル、親せきや知り合いの家に下宿させるにしても生活費を支給しなければなりません。ポポフの村ではそれらの費用を賄える親はほんのわずかしかいません。ポポフは最初のバカロレアから生徒たちが大学で勉強できるように、海外からの支援を呼び掛けてきました。おかげさまで数人の生徒たちがこうした援助を受けて大学へ通っています。最初の奨学生はマオンビ・バハヤ・ジュスティーヌさんで、ポポフ日本支部の会員からの助成でした。今後ポポフでは寄付を募り、奨学生の数を増やしていこうと思っています。

アンガ学校中等部の生徒たちアンガ学校中等部の生徒たち

ゴリラ観光の発展に向けて

アンガ学校では、通常の学校教育科目に加え、隣接するカフジ・ビエガ国立公園の動植物、地質や火山の歴史、気候など自然の特徴を教え、世界遺産としての貴重な価値を持つことを教えています。また、多くの観光客の関心を集めているゴリラについては、分類上の位置や生態、行動などを詳しく教えています。とりわけ、カフジのヒガシローランドゴリラは1970年代の初めから観光目的で2つの群れの人付けが進み、それぞれの個体に名前が付けられて履歴が記録されています。2つの群れは分裂して3つになり、その群れを出て大きくなった息子が新しい群れを作って4つになりました。
しかし、1990年代の相次ぐ戦争の際に主だったオスたちが兵士たちに殺され、群れはバラバラになりました。21世紀になってこれらの群れ出身の若いオスたちが生き長らえて群れを作っていることがわかり、再びゴリラ観光が開始されました。
アンガ学校ではこうしたゴリラの歴史を写真やビデオを用いて生徒たちに伝え、ゴリラの作っている社会について解説しています。ムシャムカ、マエシェ、ニンジャ、バララ、ムガルカ、チマヌーカなど歴代のオスたちや、その名前の由来についても教えています。生徒たちはゴリラの歴史を熱心に覚えて親しむようになり、国立公園のガイドたちにゴリラの名前を言って様子を尋ねるようになりました。こうして地元の子どもたちがゴリラの名前を覚えてくれて、いつも話題にしてくれるようになれば、ゴリラたちへの親しみも増し、密猟も起こらなくなるだろうと期待しているところです。
ポポフの代表者ジョン・カヘークワが中心になって実施している、ムプングウェ集団の人付けも順調に進んでいます。ムプングウェと名付けられたオスはまだ人馴れしていませんが、隣接する群れから最近移ってきた4頭のメスのうち2頭はもともと人付けされていた群れの出身らしく、あまり人を恐れません。これらのメスたちとまず仲良くなり、しだいに他のメスやオスとの親交を深めていこうとしています。早く群れの全員と対面したいと思っています。

1997年の内戦の際に大規模なゴリラの密猟があり、その際回収された頭骨や四肢骨1997年の内戦の際に大規模なゴリラの密猟があり、その際回収された頭骨や四肢骨

ムプングウェ集団を人付け中のジョン・カヘークワムプングウェ集団を人付け中のジョン・カヘークワ

低地部での密猟対策

カフジ・ビエガ国立公園の低地部に昨年の10月にポポフの支部を設立したことはすでに報告しました。低地部ではまだ保護区内で野生動物の密猟が絶えません。市場で捕獲を禁止されている獣肉が公然と売られていたり、森で燻製にした獣肉を家の奥に隠しておき、注文に応じて出してきたりします。そこで、ポポフはどんな動物がどのような方法で狩られ、どういうルートで売られているか、聞き込み調査を始めました。これは決して密猟者を捕まえるためのものではなく、密猟の実態を把握して、それを減じるための方策を練るための資料収集です。まだ始まったばかりですが、この地方にしか生息していないフクロウグエノンというサルが燻製にされて売られているのを目撃しました。このサルにはさらに1980年代に発見された亜種がいて、この亜種の目撃情報は21世紀以降ありません。
大変貴重な種ですので、何とか保護する方策を立てたいと思っています。

ムシャムカ集団で生まれ、メスを連れ出して自分の集団を作ったニンジャムシャムカ集団で生まれ、メスを連れ出して自分の集団を作ったニンジャ

ムシャムカ集団で生まれ、ムシャムカの死後に集団を引き継いだムガルカムシャムカ集団で生まれ、ムシャムカの死後に集団を引き継いだムガルカ

獣肉取引の調査中に見つけたフクロウグエノンの燻製肉獣肉取引の調査中に見つけたフクロウグエノンの燻製肉