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CSR活動

「ポレポレ基金」活動レポート(2015年1月1日~3月31日)図書館と女性力(2015年2月~4月)

寄付金で図書館作りが進む

昨年から始まった図書館作りは、徐々に進んでいます。これはポポフ日本支部からの助成金を元に、ポポフの運営するアンガ環境学級の中学部(日本の中学と高校を合わせたような6年生の学校)の敷地に建設している建物です。柔らかい地面に石を入れて土台を固め、日干し煉瓦をみんなで作り、今やっとそれを組み上げて壁を立てているところです。夏までには完成する見込みです。

図書館の建設予定地を測量する図書館の建設予定地を測量する

土台に使う石を運ぶ土台に使う石を運ぶ

土台を組む土台を組む

日干し煉瓦を運ぶ日干し煉瓦を運ぶ

レンガを組み立てて壁を作る

レンガを組み立てて壁を作る

伝統的な「森の学校」を続けられなくなってしまった

この図書館はポポフの長年の悲願でした。ヨーロッパ諸国の植民地となるまで、アフリカには文字がありませんでした。人々は先人の知恵を物と言葉によって伝えてきたのです。中でも重要なのが、昔話です。村の古老たちが夜に焚き火のそばで子どもたちに語って聞かせる昔話こそ、人々の生活の知恵、人間としての誇り、社会の倫理を教える最も重要な教科書だったのです。ポポフの地元でも、キンビリキッティという森の学校が毎年開かれ、中学校に上がったばかりの子どもたちが古老たちに連れられて森の奥深くへ入り、そこで数カ月を過ごしながら自然の扱い方や人間の生き方について学ぶのが慣わしになっていました。
ところが、近年の急激な森林の伐採と相次ぐ内戦によって森は荒れ、子どもたちをゆっくり滞在させるにはとても危険な場所になってしまいました。森の中で生活に有用な植物を見つけることが難しくなり、動物たちとも出会えなくなり、そして何より森に潜んでいる武装集団に襲われる危険が増してきたからです。しかも、学校で手に入る本は植民地時代の宗主国で使われているヨーロッパのものばかりです。そこには地元の自然に関する情報は何一つ書かれていません。これでは、子どもたちが自分たちの財産である自然を知ることも、それを尊重することもできません。

ポポフの女性たちの集会ポポフの女性たちの集会

自然を学び、女性たちが集う図書館に

ポポフはこれまで、ゴリラの生息域を守るために、村人たちがなるべく保護区に入らなくても暮らしを立てられるような提案をしてきました。保護区で薪や建材を取らなくてもいいように苗木センターを作り、村の近くで自前の資源作りを目指してきました。密猟を防ぐために村人たちに家畜を配り、養魚池を設置して動物タンパクの資源を増やしてきました。でも、その結果、村人たちと自然とのつながりは薄れました。昔、森で活動していた親たちは子どもたちが自然を知らないことに危惧を抱き始めています。この地域の人々にとって、自然に学ぶことはおとなになるために不可欠なことだからです。
とくに最近は、内戦の影響を受けて経済が破綻し、男たちは遠くへ仕事を求めて出稼ぎに行くことが多くなりました。森での経験が乏しい女性たちは、息子たちに自然の知識を教えられません。そこで、図書館を建てて世界中から本を集め、子どもたちにさまざまな知識を学んでもらおうと考えたわけです。図書館は子どもたちだけでなく、女性たちが集う場所ともなります。子どもの頃に就学の機会をもてなかったのは、男性より女性に多いのです。図書館を利用して学びの機会をもてば、女性たちの知識も格段に向上するはずです。
これまでポポフの女性たちは、畑を耕して作物を育て、それを市場へ運んで販売し、売り上げで生活に必要な物資を入手してきました。日々の暮らしは女性たちの手で賄っているという自負があります。1990年代から最近まで続いた内戦中も、ポポフの女性たちは組合を作り、市場で得られた売り上げの一部を貯金して、事故や病気などの緊急事態に備えたり、子どもたちの就学費用などに当てて、相互に助け合ってきました。図書館もそうした女性たちの活動に利用できるだろうと大きな期待を寄せています。

親子でカフジの森を歩くゴリラたち親子でカフジの森を歩くゴリラたち

みんなで建てた図書館が地元のゴリラの歴史を伝える場になるように

図書館の建設は男性の仕事です。でも、こうした女性たちの期待が大きいので、男性たちも少ない報酬で精一杯の力を注ぎます。たとえ潤沢な資金があって立派な図書館が建立されても、それが外注で地元の人々の意にかなっていなければ、結局人々の関心は薄れてしまうでしょう。ポポフの図書館は村人総出で、少しずつ努力を傾けながら、みんなで建設するところに意義があると思っています。
図書館ができたら、子どもたちにまっさきに読んでもらいたいのは地元カフジ・ビエガ国立公園のゴリラの歴史です。ここのゴリラは1980年代に紙幣に印刷されるほど、国の宝となりました。でもその歴史と子孫の姿は国民に知られているとはいえません。幸いなことに、カフジのヒガシローランドゴリラは内戦を生き抜き、元気な姿を見せてくれています。しかし、その数は内戦前に比べると半減し、この先どうなるかわからない不安な現状にあります。まずは地元の人々の心にしっかりと根を張り、貴重な財産として将来にわたって支えてもらうことが必要です。図書館の完成はその力強い一歩になるだろうと期待しています。