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CSR活動

「WCSコンゴ」活動レポート (2012年4月1日~6月30日)コンゴ共和国プロジェクト

西原智昭 2012年7月

クリック募金による寄付は、5月から7月までの期間では、これまでと同様に、コンゴ共和国・モンディカの森での活動(トラッカーやエコツーリズム主任の人件費の一部、事業継続に不可欠な補給食料代、エコツーリズム主任の出張費用等)に活用させていただきました。

この期間のトピックとしては、7月初旬に、朝日新聞の環境問題担当の記者とカメラマンがモンディカを訪れました。取材内容は、コンゴ共和国における自然、野生生物、環境保全、エコツーリズム、開発業、地域住民あるいは先住民の生活など多くの分野にわたるものでした。モンディカ取材の最大の目的は、日本人にはあまり知られていない野生のニシローランドゴリラの生態と社会、その生息地である熱帯林の様子をつぶさに日本人に知らせることです。
そして、そのゴリラが、ゴリラの肉やゴリラの子どものペット取引を目的とした狩猟、開発業や人口増加に伴う伐採による生息地である熱帯林の縮小、さらにこれまでに何度か起こったエボラ・ウィルスによるゴリラへの感染による病気などにより、その頭数が危機に瀕していることも取材しました。もちろん、ゴリラの密猟を防ぐ努力を重ねているパトロール隊や環境・野生生物保全に配慮した伐採会社の取り組み等も紹介する予定です。
特に、この7月1日に、モンディカ地域を含むヌアバレ・ンドキ国立公園とその周囲、及びその隣国であるカメルーンと中央アフリカ共和国の国立公園・保護区とその緩衝地域一帯が世界遺産に登録されたことを考えますと、こうした取材による広報は、ニシローランドゴリラの生存の危機を知らせるタイムリーな機会となるでしょう。なお、8月に朝日新聞に記事が載るとのことです。

モンディカのニシローランドゴリラを取材する朝日新聞クルー(カメラマンの前方にシルバーバックが一頭いる)©西原智昭モンディカのニシローランドゴリラを取材する朝日新聞クルー(カメラマンの前方にシルバーバックが一頭いる)©西原智昭

さらに、7月には、モンディカにドイツのマックス・プランク研究所から母ゴリラと子どもゴリラとの間のコミュニケーションをテーマとした新しい研究者が到着しました。モンディカではこれまでも、人付けされている2つのゴリラのグループを日々追跡し、その食事の内容、遊動する範囲、個体同士の関係、違うグループ同士の関係など、基本的な生態学的・社会学的データは収集していますが、仕草や音声による母と子の詳細なコミュニケーションについてはまだ研究されていません。
研究者は3ヶ月間にわたり、人付けされた1つのグループの4頭の子どもゴリラに焦点を当て、それぞれの母ゴリラとのやり取りをビデオに記録していきます。例えば、母ゴリラはどのようにして子どもゴリラに移動や採食を始めることを知らせるのか、また、子どもゴリラはどのようにして母ゴリラに運んでもらいたい、面倒を見てもらいたいということを知らせるのか-そうした行動学的研究に光を当てます。これは、2つのグループが十分に人付けされ、観察できる条件であるモンディカでこそ可能となるのです。絶滅の危機に瀕しているニシローランドゴリラの詳細な行動を明らかにしていく上でも、モンディカでのゴリラの研究とエコツーリズムの進展は不可欠な事です。

クリック募金は、このように野生のニシローランドゴリラの保全・研究活動に大きく貢献し続けていきます。今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします。

モンディカでゴリラの映像をとるオーストラリアの撮影隊c Michael Stuckerモンディカのニシローランドゴリラの母子© Michael Stucker

モンディカの森で背中の傷で横たえるゴリラのコドモc Michael Stuckerモンディカの森でシルバーバックと記念撮影するエネゴリくん©西原恵美子