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CSR活動

「WCSコンゴ」活動レポート (2014年2月1日~4月30日)コンゴ共和国プロジェクト

西原智昭 2014年4月

クリック募金による寄付は、2014年2月から2014年4月までの期間では、引き続き、ゴリラの保全、調査、エコツーリズムを実施しているコンゴ共和国・モンディカの森での活動費の一部ほか、コンゴ共和国北部全体のゴリラの生息状況調査の経費にも活用させていただきました。
この期間も前回と同様の状況で、モンディカを訪れたツーリストの数は、例年に比べはるかに少ない状況でした。依然、隣国・中央アフリカ共和国の内戦とそれに伴う政情不安が継続しているためです。ただ、引き続きモンディカのゴリラには直接の脅威が及んでおりません。その一方、モンディカ・キャンプの近郊で、マルミミゾウの殺害があったという情報があり、いまパトロール隊が全力でそのゾウの密猟事件に関し調査を行なっております。現在知りうる情報では、中央アフリカ共和国側から密猟者が侵入した形跡があり、内戦のあおりを受けた事件である可能性があります(図1)。

(図1)世界遺産地域内のモンディカの森とザンガ・バイの位置 (C)西原恵美子

(図1)世界遺産地域内のモンディカの森とザンガ・バイの位置 ©西原恵美子

モンディカでは、コンゴ人マネージャーのもと、キンゴ・グループとブカ・グループの追跡を継続しています。現在、3人のコンゴ人研究アシスタントが常駐しており、交代制で、二つのゴリラのグループに関する食性、個体間の社会行動、遊動域に関する調査を実施しております(写真1)。また、2月より、チェコ国籍の研究者が加わり、森の中に、赤外線による40台の固定カメラを設置しました。撮影された資料により、直接観察以外のゴリラ個体やその遊動の情報が得られます。もし、キンゴ・グループ、ブカ・グループ以外のゴリラの個体の写真であれば、モンディカ周辺での第3のグループの存在が明らかにされます。現在、人づけされている二つのグループがいずれ崩壊した場合(たとえば、シルバーバックのキンゴあるいはブカが死亡した場合)のために、次のグループの人づけを開始するのは必要なことです。今後の固定カメラによる情報の蓄積を待つところです。

(写真1)モンディカの森に生息するゴリラの子供 (C)西原恵美子

(写真1)モンディカの森に生息するゴリラの子供 ©西原恵美子

同時に、この研究者は、固定カメラを通じて、これまでほとんど生態のわかっていない熱帯林の中に生息するヒョウの研究にも役立てようとしています。ヒョウが森の中に生息していることは、足跡や糞などから明らかですが、直接観察することは容易でなく、上記の固定カメラによる写真により、ヒョウの個体識別や行動などが明らかにされ得ます(写真2a)。肉食であるヒョウはゴリラを殺して食べることも確認されており、自然界でゴリラがヒョウから命を守るためにどのように行動しているのかを知ることも重要なことです(写真2b)。

(写真2a)森の中でのヒョウの観察や発見は難しい ©西原智昭

(写真2b)ヒョウの吐き戻し痕から確認されたオトナ雌ゴリラの爪、指の皮・骨・毛など ©西原智昭

前報告書で指摘しました通り、サンガ川の西地域では2008年以降、動物分布・密度調査が行われていないので、この2014年1月から調査が西原のコーディネートによるWCSチームによって開始されております。この地域の一部では、一時的にエボラの蔓延があった上、熱帯林伐採区の拡大により密猟も増加している中、どの程度ゴリラの頭数が変動したか、結果を知ることは、今後の保全戦略を立てる上で肝要です。今回の報告書の期間も、この動物センサス・プロジェクトの経費の一部(担当者のコンゴ国内出張など)を、クリック募金から活用させていただきました。
また、モンディカだけでなく、こうしたゴリラの広域調査には、輸送手段としての自動車が欠かせません。今回のクリック基金の一部により、自動車(トヨタ・ランドクルーザー)のタイヤとその空気袋を4つずつ、購入させていただきました。新しいタイヤに定期的に交換することは、ぬかるみなどの多い森の中の悪路をスムーズに走破するに、安全上不可欠であるからです(写真3)。

(写真3)エネオス募金で購入された空気袋つきタイヤ4組と国立公園スタッフ(左より、運転手、物資管理係、ツーリズム責任者);後方に新タイヤを取り付けるトヨタ・ランドクルーザーが見える(ヌアバレ・ンドキ国立公園のボマサ基地にて) (C)WCS Congo

(写真3)エネオス募金で購入された空気袋つきタイヤ4組と国立公園スタッフ(左より、運転手、物資管理係、ツーリズム責任者)
後方に新タイヤを取り付けるトヨタ・ランドクルーザーが見える(ヌアバレ・ンドキ国立公園のボマサ基地にて) ©WCS Congo

このようにクリック募金は、モンディカだけでなく、地球上最大のゴリラの頭数を誇るコンゴ共和国北部全体の野生のニシローランドゴリラの保全・研究活動に大きく貢献し続けていきます。今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします。