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CSR活動

「WCSコンゴ」活動レポート (2014年10月1日~12月31日)コンゴ共和国プロジェクト

西原智昭 2015年1月

クリック募金による寄付は、2014年11月から2015年1月までの期間では、引き続き、ゴリラの保全、調査、エコツーリズムを実施しているコンゴ共和国・モンディカの森での活動費の一部ほか、コンゴ共和国北部全体のゴリラの生息状況調査の経費などにも活用させていただきました。

ゴリラの生息密度分布調査の結果

昨年から報告してきましたが、コンゴ共和国北部サンガ川の西地域にて、西原のコーディネートによる動物分布調査は継続され、調査は2014年10月初旬には完了いたしました。12月に初期データ分析が終わり、おおまかな結果が示されました。

図1は類人猿の生息密度分布を、2007年当時の調査と昨年のものとを比較しています。緑色が濃いほど、密度が高いことを示しています。現時点の分析では、ゴリラとチンパンジーを分けて表示することができません。分析者によると、類人猿の生息数はほとんど横ばいであり、ゴリラを含む類人猿への密猟によるプレッシャーが低いと考えられます。ただし、類人猿の地理的分布については、2014年の方が地図上の「白い部分」が増えています。これは、昨今増加している人間の活動によるものです。

図2:コンゴ共和国北部における人間の活動の分布図© WCS Congo

図1:コンゴ共和国北部における類人猿の生息分布図© WCS Congo

人間の活動による痕跡(密猟者が森を通った後やキャンプ地、弾痕など)を示したのが図2です。この図では、赤色が濃いほど、人間の痕跡が多いことを示しています。調査地域の北部と東南部が2014年の方が2007年より多いことがわかります。北部は大きな町があり、2007年以降人口増加しました。東南部は、"Ntokou Pikounda"と呼ばれる国立公園ではありますが、コンゴ共和国政府によるパトロール体制がまだ整っていないため、人間の侵入が高くなっているようです。ちょうどこの地域で、類人猿の生息分布が少ないことと対応しています。つまり、類人猿は明らかに人間を回避して、人間の活動の及んでいない場所に集中する傾向が見られるということです。

図2:コンゴ共和国北部における人間の活動の分布図© WCS Congo

図2:コンゴ共和国北部における人間の活動の分布図© WCS Congo

こうした人間の活動分布に反映し、マルミミゾウの生息分布にも類人猿と同様の傾向が見られました(図3)。ただし、マルミミゾウの場合は、具体的な数字はまだ分析中ですが、生息頭数も減少したという結果報告を受けています。これは、人間の活動の増加に伴い、象牙目的の密猟が急増中であるからです。マルミミゾウはとくに、2014年には図の左側にある"Odzala-Kokoua"国立公園側に集中する傾向がみられています。これは、この国立公園はパトロール隊に守られるようになり、マルミミゾウもその安全性を感知し、その地域に移動しているものと考えられます。

図3:コンゴ共和国北部におけるマルミミゾウの生息分布図© WCS Congo

図3:コンゴ共和国北部におけるマルミミゾウの生息分布図© WCS Congo

モンディカに必要なフィールド装備の購入

モンディカの森では、これまでと同様、コンゴ人マネージャーのもと、キンゴ・グループとブカ・グループの追跡を継続しています。現在、2人のコンゴ人研究アシスタントが常駐しており、交代制で、二つのゴリラのグループに関する食性、個体間の社会行動、遊動域に関する調査を実施しております。

この期間、モンディカではとくに新しい発見や観察はありませんでした。コンゴ人マネージャーのリクエストに応じ、コンゴ共和国では手に入れることのできない必要なフィールド装備9品目をアメリカ合衆国に注文しました。注文した品物と現時点でコンゴ共和国に届いた物品(写真)のリストは以下の表の通りです。装備の購入には、クリック基金を使用させていただきました。

アメリカ合衆国にオーダーしたモンディカ用のフィールド装備

  品名 注文数 現時点での届いた数
1 携帯衛星電話 2 2
2 森歩き用サンダル 30 30
3 森歩き用靴 60 0
4 防水バックパック 15 15
5 水筒 10 0
6 温湿計 2 0
7 降雨計 2 0
8 無線機のマイクロフォン 2 0
9 ヘッドランプ 10 0

写真:合衆国から届いたフィールド装備(左から携帯衛星電話、森歩き用サンダル、防水バックパック)©西原智昭

このようにクリック募金は、モンディカだけでなく、地球上最大のゴリラの頭数を誇るコンゴ共和国北部全体の野生のニシローランドゴリラの保全・研究活動、ツーリズムの進展に大きく貢献し続けていきます。今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします。