ページ内移動用のリンクです


CSR活動

「WCSコンゴ」活動レポート (2015年1月1日~3月31日)コンゴ共和国プロジェクト

西原智昭 2015年4月

クリック募金による寄付は、2015年1月から2015年3月までの期間では、引き続き、ゴリラの保全、調査、エコツーリズムを実施しているコンゴ共和国・モンディカの森での活動費の一部に活用させていただきました。

モンディカで生まれたゴリラ「エネオス」

モンディカの森では、これまでと同様、コンゴ人マネージャーのもと、キンゴ・グループとブカ・グループの追跡を継続しています。現在も引き続き、2人のコンゴ人研究アシスタントが常駐しており、交代制で、二つのゴリラのグループに関する食性、一頭一頭のゴリラがグループの中でどのように行動しているか、その上でお互いどのような社会交渉を演じているか、どこを移動しているかに関する調査を実施しております(写真1、写真2)。

写真1:モンディカ・プロジェクトの主任(中央)と先住民ガイド©Bayanga Obecky

写真1:モンディカ・プロジェクトの主任(中央)と先住民ガイド©Bayanga Obecky

キンゴ・グループでは、2月22日に"ンドキ"と呼ばれていた若いメスの死が確認されました。死因は不明です。一方、ブカ・グループでは3月24日に新しい赤ちゃんが生まれたことが観察されました。"エネオス"と命名されたこの新生児の写真はまだ撮れておりませんが、次回の記事ではご紹介できるでしょう。

写真2:モンディカ・キャンプ地を通過するブカ・グループの個体©Bayanga Obecky

写真2:モンディカ・キャンプ地を通過するブカ・グループの個体©Bayanga Obecky

隣国・中央アフリカ共和国の情勢もだいぶ落ち着いてきたこともあり、また西アフリカ諸国でのエボラ騒ぎも沈静の方向に動く中、モンディカへのツーリストも徐々に戻りつつあります(写真3)。また、すでにこれまでの記事で紹介してきたように、キンゴとブカの二グループは近接して生息しております。3月11日と18日の二度に渡り、両グループが森の中で会合するシーンが見られました。もちろん、争いやグループ間の緊張社が生じたわけではありませんが、森の中の果実が少なくなったこの時期、食べる草を探して偶然出会ったものと推測されます。

写真3:森の中でブカ・グループを観察するツーリスト©Bayanga Obecky

写真3:森の中でブカ・グループを観察するツーリスト©Bayanga Obecky

この二グループのほかに、新たな第三のグループがモンディカ地域に生息しており、いまそのグループの「人付け」作業を始めたところです。これはキンゴの加齢により、数年のうちにキンゴが死亡し、そのグループが崩壊する可能性があり、そのときにブカ・グループのほかに別のグループの人付けを確保しておくことが、エコツーリズムの進展に必要不可欠だからです。これに伴い、通常の調査者の増員が必要となり、3人のコンゴ人アシスタントを採用する予定です。またこの新グループの追跡を実施するため、さらに8人の先住民ガイドを追加する計画です。こうしたスタッフの増員に伴うため、とくに先住民ガイドの居住家屋の増設が望まれているところです。

周辺地域のパトロール

2014年にヌアバレ・ンドキ国立公園は、その保護を強化するためにパトロール隊に従事するエコガードの要員を増補しました(写真4)。実際、1月5日には、モンディカ・キャンプから数kmの地点より、密猟者によるものと思われる銃声が聞こえました。現在、モンディカ地域の安全を確保するために、モンディカ・キャンプにもエコガードは駐在しており、日夜パトロールに励んでおります。

写真4:トレーニングを受けた新人エコガードと筆者©西原智昭

写真4:トレーニングを受けた新人エコガードと筆者©西原智昭

モンディカに必要なフィールド装備の購入

モンディカ・キャンプで確保される電源の問題は、引き続き生じております。森の中のキャンプのため、ソーラーによる電源の確保には確実性がありません。太陽光から得られたエネルギーを十分に充電するために、バッテリーの増加が必要となり、今回新たに100ワットのバッテリー二個をクリック募金からのご寄付で購入いたしました。また、昨年購入した小型発電機は故障中で、新たな発電機が急遽必要となり、2015年3月、2kvaの小型発電機を新たに購入させていただきました(写真5)。

写真5:エネオス募金で購入されたモンディカ・キャンプ用の充電用バッテリーと発電機©Bayanga Obecky

このようにクリック募金は、モンディカだけでなく、地球上最大のゴリラの頭数を誇るコンゴ共和国北部全体の野生のニシローランドゴリラの保全・研究活動、ツーリズムの進展に大きく貢献し続けていきます。今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします。