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CSR活動

「WCSコンゴ」活動レポート(2015年10月1日~12月31日)コンゴ共和国プロジェクト

西原智昭 2016年1月

クリック募金による寄付は、2015年10月から2015年12月までの期間では、引き続き、ゴリラの保全、調査、エコツーリズムを実施しているコンゴ共和国・モンディカの森での活動費の一部に活用させていただきました。

最近のモンディカにおけるゴリラの動向

これまで通り、モンディカの研究者は、キンゴ・グループとブカ・グループを毎日追跡して資料を収集しています。この季節、次第に森の中での果実が少なくなり、ゴリラは主として地上性の繊維性植物の食物に移行してきました(写真1)。その最も主たるものは、写真に示すようなクズウコン科の髄、あるいはアフリカショーガ科の髄です(写真2)。

写真1:この季節はゴリラは地上で草本類を食べることが多いので、このように観察するのに見通しが悪いことがたびたびある©WCS Congo

写真2:クズウコン科Haumania danckelmanianaのゴリラによる髄食の痕跡(左);
アフリカショーガ科Aframomum sp. のゴリラによる髄食の痕跡(右)(いずれも©WCS Congo)

前回の報告書で紹介した「エネオス」と名付けられたコドモは、元気に育っております。

また12月の末には、キンゴ・グループとブカ・グループが遭遇することがありました。こうした機会は非常に稀ですが、決して険悪ではなく、むしろ非常に平和的なものでした。その証拠に、両グループのコドモたちは混じり合って、一緒に遊ぶ光景も観察されました。

写真3:森の中を歩くキンゴ・グループの母子©WCS Congo

ゴリラの健康状態

12月、両グループで咳をする個体や鼻水を出す個体が目立って観察されました。WCSの獣医も駆けつけ観察を継続しましたが、幸い、大事には至らず、10日間ほどで、どの個体の症状も和らぎました。似たような状況は、同じくヌアバレ・ンドキ国立公園におけるグアルグという類人猿の調査地においても、ゴリラ、チンパンジー両方に共通して観察されました。特に、今回の大乾季(12月以降)は、例年に比べ乾燥がひどく、また朝晩の気温も例年以上に下がりました。こうした天候の状況が、モンディカやグアルグの類人猿の症状に影響が出たのかもしれません。

一方、人間からゴリラへの病気の感染を防ぐ一手段として、12月15日より、モンディカにおける15人の先住民トラッカーの結核診断を実施しました。いずれも、結果は陰性で、引き続き、彼らは両ゴリラ・グループに接近しながら、追跡を継続しています。

クリック募金の支援で購入させていただいた温度計が、12月より、モンディカ・キャンプに設置され、毎日の気温を計測することに役立っております。

モンディカ・プロジェクトの主任交代

これまで3年にわたり、モンディカ・プロジェクトの主任を担ってきたObecky Bayanga氏(写真4)がモンディカを去ることになりました。交代の主任は2016年2月に赴任することになっており、それまでObecky氏はモンディカでの調査を継続いたします。氏の貢献は、人付けの完成された二つのグループのゴリラを、他のコンゴ人研究者と分担しながら毎日追跡していくシステムを作り出し、これまで維持してきたことで、モンディカ・プロジェクトにおいて多大なものでした。

写真4:Obecky氏とキンゴ©WCS Congo

このようにクリック募金は、モンディカだけでなく、地球上最大のゴリラの頭数を誇るコンゴ共和国北部全体の野生のニシローランドゴリラの保全・研究活動、ツーリズムの進展に大きく貢献し続けていきます。今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします。