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CSR活動

トップメッセージ

新生JXTGエネルギーは、挑戦と向上心をもって変革を成し遂げ、新たな価値の創造に挑みます。代表取締役社長 杉森 務

経営統合の背景ともなった、近年の事業環境をどのように認識していますか?

昨今の石油業界を取り巻く環境は大変厳しいと認識しています。最大の原因は、国内における需要の減少です。少子高齢化、低燃費車の普及、燃料転換といった変化に伴い、今後も国内需要は確実に減少することが見込まれています。海外ではアジアの新興国の需要が堅調に伸びているものの、新鋭の大規模製油所が次々と登場しており、今後は国際競争が一層激しくなることが予想されます。

このような厳しい状況下においても事業を持続的に発展させるため、JXグループと東燃ゼネラルグループは経営統合を実施し、2017年4月、新たにJXTGホールディングスおよびJXTGエネルギーとして生まれ変わりました。

JXグループと東燃ゼネラルグループは、長年わが国において「エネルギーの安定供給」という重責を担ってきました。その両社の経営資源を結集し、お客様や社会に「新たな価値」を提供することを通じ、これからの時代にふさわしい、アジア有数の総合エネルギー企業として成長します。

「新たな価値」とは、具体的にはどのようなものでしょうか?

第一にあげられるのは、統合シナジーの最大化と早期の実現により、サプライチェーン全体を強化し、安定供給体制を一層盤石なものとすることです。

当社のコア事業である石油・化学品事業で、統合によって徹底した効率化が可能になりました。製油所の統廃合、重複事業の一本化はもちろん、生産、供給、販売等すべてにおいて効率化を進めれば、サプライチェーン全体が強化されます。これをベースに、当社はわが国にエネルギーを安定供給し続けていきたいと考えています。まったく新しい取り組みではなくても、社会情勢が変化する中で安定供給を続けるということは、「新たな価値」であると考えています。さらに、今後は海外展開にも今まで以上に積極的に取り組み、国際競争力を有する企業へと成長します。これも、海外のお客様や社会に提供する「新たな価値」の1つです。

一方で、国内のエネルギー需要の多様化に対応するため、次世代事業の育成にも力を入れます。経営統合を機に、電気、ガス、水素等、より環境にやさしいエネルギーの供給に力を注ぎ、拡大・充実させていくことも「新たな価値」の創造につながると考えています。

着実に利益を上げている技術立脚型の事業も大切に育てたいと考えています。例えば、お客様のニーズに合った高性能商品を生み出す潤滑油事業や、新素材を提供する機能材事業などは、社会やお客様に対して今までになかった「新たな価値」を提供しており、将来的にも非常に有望です。

このようにさまざまな「新たな価値」を提供していくことができると考えていますが、将来にわたって提供し続けるためには、今までと同じやり方では通用しません。常に変化していく時代に対応するべく、組織全体、そして社員一人ひとりに「変革」が必要です。

そこで、2017年5月に発表した中期経営計画を「抜本的な変革の実行プラン」と位置付け、グループ一丸となって「変革」を進めることとしました。

「変革」については、どのようにお考えですか?

誕生したばかりのJXTGエネルギーのキーワードは何か。そう問われたら、私は間違いなく「変革」と答えます。これまでの延長ではなく「まったく新しい会社に生まれ変わったのだ」という気概が必要です。

一方で、まったく新しい会社においては「変革」の方向性も共有する必要があり、それが「JXTGグループ理念」と「JXTGグループ行動基準」であると考えています。

「JXTGグループ理念」は、「使命」と「大切にしたい価値観」から成っています。「JXTGグループ理念」を実現していくためにどう行動すべきか、 その判断の拠りどころとして、「JXTGグループ行動基準」があります。

「変革」するためには、まず、社員一人ひとりが、この「JXTGグループ理念」と「JXTGグループ行動基準」の根本を理解しなければなりません。その上で、新たな未来を創造するため、同じ方向に向かって誠実に実践し、常に挑戦を続けていく。そこで初めて、求めている「変革」が起こせるのです。

「変革」が必要なのは、人だけではありません。事業を支える経営インフラや内部統制システムにも抜本的な「変革」が必要です。

そこで、経営インフラについては、現在「統合基幹業務システム(ERPシステム)」の導入を進めています。端的にいえば、データを一元化するシステムを整備・運用して業務を効率化し、仕事のやり方そのものを変えてしまおうという取り組みです。

他方、内部統制システムに関しては、経営統合前に両社が取り組んできたものを新たな視点で見直し、良い部分を取り込んでより確実なものとするべく、強力に推し進めています。製油所・製造所においては操業管理システムの構築に取り掛かっていますが、これはいかに安全に操業し、安定的かつ効率的に生産をしていくかという当社の事業の大前提となるシステムです。今までのシステムで不十分だった箇所は、徹底的にあらためなければなりません。現在、持てる力を結集して早期に構築するよう努めています。

安全・安定操業について、私たちには反省すべき点があります。2017年1月、和歌山製油所において、あってはならない火災を発生させてしまいました。これにより、多くの近隣住民の皆さまに避難していただき、関係の皆さまにも大変なご不安とご迷惑をおかけしました。私たちは、このようなことは二度とあってはならないと胸に刻み、しっかりと原因を究明した上で改善措置を進めます。また、全製油所・製造所に水平展開して、安全管理の徹底に取り組んでまいります。

近年、国際社会が注目しているSDGsに関しては、どのような認識で臨むのでしょうか?

経営統合により当社はひと回りもふた回りも大きな会社になりました。大きくなったということは、その分、社会的責任もより重くなったということですので、以前にも増して、社会に対して誠実な会社にならなければならないと考えています。

SDGsにおいて、事業活動とかかわりの深いもの、特に環境に関する項目については、従前からさまざまな取り組みを続けています。これは、当社が取り扱う石油製品は人々の暮らしに不可欠である一方で、地球環境に負荷をかけるものでもあるからです。石油業界のリーディングカンパニーとして、社会に対して果たさなければならない責任があります。当社は、世界レベルで取り組まねばならない地球温暖化対策や、クリーンなエネルギーの開発などに、今後も積極的に取り組んでまいります。

この認識をグループ全体で共有し、将来にわたって実践することを宣言するため、「JXTGグループ行動基準」には、人権尊重や健康増進、市民社会の発展への貢献などを盛り込んでいます。

今後も「持続可能な社会の実現」に向けてできることは何かを考え、役員・従業員一体となって誠実に役割を果たしていきたいと思います。

SDGs(Sustainable Development Goals)
2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中に掲げられた「持続可能な開発目標」のことで、人間、豊かさ、地球、平和、パートナーシップに関する17の目標(ゴール)、169のターゲットが定められている。全世界で取り組むべき課題であり、目標達成に向けて企業の貢献が期待されている。

中期経営計画には、CSRへの取り組み強化も盛り込まれています。
新たな体制と、その意図を教えてください。

2017年5月に発表した中期経営計画には、「経営基盤の強化」のための施策として「CSR経営の推進」を掲げました。私たちが一層成長していくためには、経済的価値だけではなく、社会的価値も向上させていかなければなりません。したがって、CSR経営およびESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組みは、経営基盤強化策の1つとして、確実に推進していきます。

具体的には、「JXTGグループ行動基準」に掲げた14の項目を8つのCSR活動重点分野に分類・集約し、各分野においてPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回す仕組みづくりを行っています。また、JXTGエネルギーグループのCSR方針を決定するCSR経営会議、そしてその諮問機関として本社の全部署の部長で構成する「CSR部長会」を設置するとともに、本社各部室・製油所・製造所・支店にCSR推進責任者を任命し、各部署におけるCSR施策の推進役としました。CSRはすべての部門に関係する重要な取り組みですので、このようにしっかりと体制を構築して、全社的に推進していくこととしています。

また、当社におけるCSRは、サプライチェーン全体で取り組む必要がありますので、「特定関係会社」と呼んでいる当社の事業運営に特に重要な子会社・関係会社26社の社長をメンバーとして、「JXTGエネルギーグループCSR会議」も設置しました。この会議を活用して、各社の意見も反映しながらグループ全体でCSR経営を推進していきたいと考えています。

中期経営計画の基本方針および経営基盤の強化施策の中で、「人材育成」を挙げられていました。社員に望む人物像や、当社の人材育成について教えてください。

まず、理想の社員をひと言で表すなら「変革を実行していける人材」ということになります。社会のニーズや事業環境の変化を敏感に察知し、広い視野で多面的にものごとを捉え、成すべきことを自ら考えて実行していけるような人物を育成していきたいと考えています。また、海外展開をさらに進めるため、グローバルな感覚も必要だと考えます。

このように優秀な人材を育成・確保し、活躍してもらうためには、組織として取り組むべき課題があります。

まずはダイバーシティの推進です。性別、年齢、国籍等に関係なく、また出産や育児、介護といった事情を抱えた人なども、誰もが能力をフルに発揮できる職場環境を提供することが非常に大事だと思っています。

もう1つ重要な課題は、風通しのいい組織づくりと公明正大な人事評価の徹底です。こうした社風とか雰囲気といったものは、会社の制度というよりも、私を含めた役員・従業員一人ひとりの心がけが鍵になります。私は、「対話」を信条としてきました。「対話」のないところに信頼関係は生まれません。「対話」のないところに新たな発見も生まれません。社長になってからはさらに意識して、社内外を問わず、いろいろな立場・状況の方々と率直な意見交換をしています。従業員から参加者を募った「意見交換会」も何度か開催し、そこで提案された施策を即時に全社で実施したこともあります。このような信条・心がけを皆さんにも持っていただき、新たな企業文化を醸成して、人材の育成・確保につなげていきたいと思います。

最後に、お客様をはじめとする多くのステークホルダーの皆さんに、杉森社長からのメッセージをお願いします。

新生JXTGエネルギーは、グローバルに展開する総合エネルギー企業へと飛躍するべく、「変革」と「新たな価値の創造」に挑んでいきます。

現在は「3年以内に1,000億円の収益改善を達成すること」を目標に、グループ一丸となって努力していますが、同時に、企業として果たすべき社会的責任や、国際社会が直面している社会的課題とも真摯に向き合い、これらについても社会から評価される企業になりたいと考えています。

今回の経営統合で、今まで以上に多様なステークホルダーの皆さまと接点が持てることとなりました。JXTGエネルギーは、お客様や株主のみならず、広く社会からの期待や要望に応えていける誠実な会社でありたいと考えていますので、「CSRレポート2017」を通じて、皆さまから忌憚のないご意見を頂戴できれば幸いです。

インタビュアー:総務部 CSR推進グループマネージャー 桂 美穂