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知って得する家計節約術

Vol.2 本格的な夏の前に終えておきたい!

エアコンの掃除方法で電気代がどれだけ変わる?!

宮永 裕美

文責:宮永 裕美/NPO法人日本家計アドバイザー協会 代表理事

一級ファイナンシャル・プランニング技能士。専業主婦で独学により資格取得。外資系保険会社・大手保険代理店を経て独立する。月に一度の記入でお金のコントロールができる家計簿を普及し、貧困児童の問題や将来不安のある子育て世代の家計をリテラシーの方面から支援するNPO法人を設立。

※当記事は2015年5月18日現在の情報を元に上記ライターによって執筆されたものです。

掃除をしていないエアコンは運転効率が悪く電気代が高くなるということは知っている方も多いと思いますが、実際にどのくらい電気代に差が出るのでしょうか。掃除をする前と後の電気代を比べ、電気代を節約するための掃除方法などを紹介します。

エアコンの消費電力と電気代の考え方

各家電メーカーが販売しているエアコンの省エネ基準は、通年エネルギー消費効率(APF)という基準値で表されています。これは、メーカーごとに数十種類ある機種や能力の大きさを一目でわかる数値として表したもので、数字が大きければ大きいほど省エネ効率が高いということになります。

通年エネルギー消費効率(APF)

=1年間で必要な冷暖房能力の総和(固定値)÷期間消費電力(機種ごとの試算値)

新品のエアコンを購入するとき、電気代を最優先に機種を選ぶとすれば、期間消費電力の少ないものを選ぶと良いでしょう。期間消費電力というのは、メーカー各社の性能基準のばらつきをなくすためにJIS規格によって定められた条件下で、試算された値です。

エアコンの期間消費電力量計算の条件

外の気温:東京をモデルとする
冷房の設定温度:27℃
使用場所:平均的な木造住宅
冷房使用期間:5月23日〜10月4日(135日間)、6:00〜24:00(18時間)

JIS規格によって定められた条件のうち、外気温は、東京をモデルとして、冷房温度は27℃、冷房期間は5月23日から10月4日までの135日間。6:00から24:00までの18時間、平均的な木造住宅で使用することを想定しています。ご自分の使用状況と比べていかがでしょうか?

この条件で試算した数値は、各社のパンフレットに掲載されています。例えばリビングで使われる標準的な4.0kw(木造住宅14畳用)の今期発売されたエアコンの中で、冷房時最も効率の良いもので期間消費電力量が297kWh、最も消費電力量の大きいもので490kWhです。

※「kw(キロワット)」は電力を表し、数値が大きいほど電気の流れが大きいことを表します。「kWh(キロワットアワー)」は電力と、使用した時間を掛け合わせた電力量を表します。

これを電気代に換算すると、297kWh×25円=7,425円(1kWh=25円の場合)です。さらに使用期間135日で割ると、1日55円となります。しかし、電気料金のプランによっては1kWhあたりの電気代が異なりますので、家庭によって3,564円(1kWh=12円)〜10,989円(1kWh=37円)と差が生じます。

エアコンの種類 期間電力消費量 冷房使用期間(135日間)の電気代
1kWh=12円の場合 1kWh=37円の場合
最も効率の良いエアコン 297kWh 3,564円 10,989円
最も消費電力量の大きいエアコン 490kWh 5,880円 18,130円
差額2,316円 差額7,141円

また上記の最も効率の良いエアコンと最も消費電力量の大きいエアコンとでは193kWhの差がありますが、これを電気代で比べると2,316円(1kWh=12円)〜7,141円(1kWh=37円)の差ということになります。

3LDKの木造住宅を想定して、14畳用を1台と10畳用を1台、8畳用を2台使用した場合、最も効率のよい機種で期間消費電力量の合計が1,027kWhとなります。その場合の電気代は、12,324円(1kWh=12円)〜37,999円(1kWh=37円)です。一方、最も消費電力が大きい機種では期間消費電力量の合計が1,325kWh、その場合の電気代は15,900円〜49,025円です。

エアコンクリーニングの電気代節約効果

上記はあくまで新品のエアコンを使用した時のシミュレーションにしか過ぎません。数ある家電の中で、買った時点が性能のピークで経年劣化が運転効率に最も影響を及ぼすものがエアコンだと言っても過言ではありません。

エアコンは使用状況もまちまちで、家族の集まるLDKなどは使用頻度も多い上に、キッチンの油汚れも考えられます。キッチンと少し離れたリビングの照明器具の掃除をすると、油とほこりがこびりついていることに気付くことがありますが、エアコン内部もこれと同様に汚れていることが想像できます。しかし、個室においては、使用頻度も少なく、乾燥した埃による汚れが中心です。

このように溜まった汚れがエアコンの運転効率に及ぼす影響もばらつきがあり、つまりは、汚れ具合によってクリーニングの効果もまちまちなのです。仮に汚れによって30%運転効率が下がっていたとしたら、電気代にすると135日間で3,696円〜11,396円のロスになります。

エアコンが部屋を涼しくする仕組み

ひと言でエアコンクリーニングと言っても、実は2種類の方法があります。ひとつは、お金をかけずに自分でクリーニングする方法。もうひとつは、エアコンクリーニングの専門家に頼む方法です。この2つの方法の効果を、エアコンが部屋を涼しくする仕組みから考えてみましょう。

エアコンが部屋を涼しくする仕組み
  1. フィルターを通して部屋の空気をエアコン内に取り込みます。
  2. 熱交換器で空気の温度を変化させます。
  3. ファンで空気を吸い込み、風の循環をつくります。
  4. 吹き出し口から風を吹き出し、ルーバーで風の方向を変えます。

この4つのプロセスの中で、エアコンの運転効率を悪化させる三大要因は、フィルター・熱交換器・ファンの汚れです。この3つの部分の汚れがエアコンの風速に悪影響を与え、運転効率を下げるのです。

自分でのクリーニングとプロに頼むクリーニングの違い

フィルターの掃除

お金をかけずに自分でクリーニングする方法は、風の道であるフィルターを常にきれいに保つことです。最低でも2週間に一度は取り外し、中性洗剤などで水洗いして良く乾かし装着してください。

風の道であるフィルターが汚れていると風速が10%ダウンします。エアコンの運転効率は、この風を起こす仕事をいかにスムーズに保てるかにかかってくるのです。また、フィルターをこまめに掃除することは、エアコン内部に入る埃を減らしエアコン自体の寿命をのばしたり、クリーニングの間隔を長くするという効果もあり一石二鳥の方法です。

エアコン内部の掃除

とはいえ、運転効率悪化の三大要素のうちの70%は、エアコン内部の汚れです。ファンの汚れで60%、熱交換器で10%というデータがあります(三菱電機株式会社パンフレットより)。エアコン内部の汚れとなると、クリーニング機能付きのエアコンを選ぶかプロに任せるしか方法はありません。

そこで、プロに依頼すると簡単な洗浄で1万円から細かなお掃除までできる業者で3万円程度必要です。クリーニングの頻度も1〜3年に一度は利用したいところです。

運転効率を上げて電気代を浮かせるか、見えない汚れには目をつぶってフィルター掃除だけをこまめにするか、悩ましいところです。費用にだけ目を向けた場合、クリーニングを断念するという選択もありますが、健康に影響するエアコン内のカビ汚れやにおいの問題を考えるとクリーニングを実施する家庭も多いのではないでしょうか。

そこで焦点が当たるのが、各社が盛んに開発しているクリーニング機能付きのエアコンです。

クリーニング機能付きエアコン

クリーニング機能付きエアコンとは、フィルターの掃除から、熱交換器やファンまでを清潔に保つような工夫が凝らされた商品です。運転停止時に埃を定着させる結露を乾かしたり、熱交換器やファンを銀イオンやチタンでコーティングするなど汚れの定着を防ぐ素材を駆使し、屋外に汚れを排出する機能が働きます。買い替え時には検討したい高機能エアコンです。

とはいえ、クリーニング機能付きといえども埃やカビがまったくないとは言えないのが現実です。しかしクリーニング機能付きのエアコンのクリーニングをプロに頼むとなると、料金が5,000円程度アップします。そこで、前述の2つの掃除方法と機能付きのエアコンを、上手に使い分けるといった細かな工夫が必要でしょう。

クリーニング機能付きエアコンのメリット・デメリット

メリット:埃や汚れが定着しにくいため、通常のエアコンよりも掃除の頻度が少なく済む
デメリット:プロにクリーニングを頼む際、通常のエアコンよりも料金が高くなる

例えば、使用頻度も高く汚れも付きやすいリビングではこまめに掃除することが効果的なため、使うエアコンはクリーニング機能がついていない運転効率にこだわったシンプルなエアコンにし、こまめに掃除・クリーニングして使用する。逆にリビングに比べて使用頻度が低く汚れも付きにくい個室は、セルフクリーニングエアコンを使いプロのクリーニングをする期間を長めに設定する。家計全体を考えると、クリーニング代も含めたランニングコストで計画的に使用することをお勧めします。

冷房時のエアコンにかかる電気代は、暖房時の電気代に比べると案外少なく、年間使用量の7.9%程度です。電気代だけでなく、エアコン本体を長持ちさせる、健康に配慮し安全に利用するためのクリーニングということも必要です。

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