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このページは、目次の中の第1編の中の第2章の中の第2節 製油所の概要のページです。

  1. 製油所の立地
  2. 製油所の設備

1. 製油所の立地

(1) 製油所用地

製油所の用地は、一般に、原油処理能力1バレル/日当たり6~16m2必要といわれている。製油所敷地のうちタンク用地が約半分を占め、装置のための用地は1割前後に過ぎない。

産油国における製油所は油田近傍に立地するが、消費地あるいは中継地での立地としては海上輸送による原油の受入れや、石油製品の出荷が可能な海岸に設置されることが多い。

(2) 用水、電力

工業用水は冷却用水、ボイラー給水等に用いられ、良質の用水を確保することは製油所立地の重要な条件の一つである。冷却用水は通常冷却塔を使って循環使用するが、循環水量は原油処理量15万バレル/日程度の製油所で約1万トン/時であり、消費量(補給水)は循環水量の3%程度である。

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2. 製油所の設備

製油所は原油受入れ、貯油、製油、用役(ユーティリティ)、出荷、環境対策、事務所および工作工場等の各施設で構成され、その配置の検討に際しては、特に環境と安全への対策に十分な配慮を払い、建設費と運転維持費が低減されるように配置される(図 1-2-2-1)。

なお、製油設備以外の付帯設備のある地域を一般にオフサイトという。

(1)原油受入れ設備

原油はタンカーで大量に運ばれてくるので、製油所には十分な港湾、荷役設備が必要である。製油所近くまで十分な水深がある場合ジェティー(陸岸に直結した桟橋)とし、タンカーと陸上パイプラインがローディングアームで連絡され、荷揚げされる。遠浅である場合はシーバース(海上に設置される泊地)とし、ローディングアームと海底パイプラインにより陸上へ荷揚げするか、ブイによる一点または多点係留方式とし、フローティングホース(浮上ゴムホース)と海底パイプラインにより荷揚げされる。

図 1-2-2-1 製油所の配置と油の流れ図の一例

(2)貯油設備

原油は一度に大量に受け入れるので、タンクは大型のものが多く、ほとんどが浮屋根タンクである。半製品・製品タンクは種類が多く、貯油量が少ないため小型となる。

(3)製油設備

一般に製油所の中央に位置し、塔、槽、熱交換器、加熱炉、ポンプ、コンプレッサー、配管および計器室等で構成されている。

(4)ユーティリティー設備

装置の運転には、スチーム、電力、冷却水、空気、燃料、さらに各種薬品や添加剤などが必要である。これらを供給する設備をユーティリティー(用役)設備といい、主要な設備は、ボイラー、自家発電、受配電、水処理設備、冷却塔、エアーコンプレッサー、燃料供給設備等である。

(5)出荷設備

製品は中味か容器詰めで出荷される。出荷設備には海上出荷桟橋、鉄道出荷のための専用側線、タンクローリー積場等がある。パイプラインで需要家へ直接出荷されることもある。



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