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このページは、目次の中の第3編の中の第1章の中の第5節 軽油のページです。

  1. 種類・用途と規格
  2. 性状

1. 種類・用途と規格

軽油は、沸点範囲がおよそ170~370℃の炭化水素成分で構成されており、主としてトラック、バス等の自動車用ディーゼルエンジン用燃料として、その他発電、農業・建設機械のディーゼルエンジン用燃料、さらにボイラー等の加熱用燃料としても使用されている。

JIS規格(JIS K 2204)は、流動点の違いにより、特1号から特3号まで5種類に分類されている(表 3-1-5-1)。夏期は1号または特1号、冬期は2号(寒冷地は3号、特3号)と、季節により使い分けるようになっている。

表 3-1-5-1 軽油のJIS規格(JIS K 2204-2007から抜粋)
項目 種類
特1号 1号 2号 3号 特3号
引火点℃ 50以上 50以上 50以上 45以上 45以上
蒸留性状90%留出温度℃ 360以下 360以下 350以下 330以下※1 330以下
流動点℃ +5以下 -2.5以下 -7.5以下 -20以下 -30以下
目詰まり点℃ -1以下 -5以下 -12以下 -19以下
10%残油の残留炭素分質量% 0.1以下
セタン指数※2 50以上 50以上 45以上 45以上 45以上
動粘度(30℃)mm2/s{cSt} 2.7以上 2.7以上 2.5以上 2.0以上 1.7以上
硫黄分質量% 0.0010以下
密度(15℃)g/cm3 0.86以下
注記:
※1.動粘度(30℃)が4.7mm2/s{4.7cSt}以下の場合には、350℃以下とする
※2.セタン指数は、セタン価を用いることもできる

軽油の強制規格は硫黄分、セタン指数、90%留出温度項目に加え2007年の改正でバイオディーゼル燃料(FAME)の混合された軽油の必要な燃料性状として、脂肪酸メチルエステル(FAME)、トリグリセリド、メタノール、酸価、ぎ酸・酢酸およびプロピオン酸の合計、酸価の増加の6項目が追加され合計9項目となった(表 3-1-5-2)。

表3-1-5-2 品質確保法による軽油の強制規格
項目 FAMEを混合した軽油
(B5
FAMEを混合しない軽油
(B0)
硫黄分 0.001質量%以下 0.001質量%以下
セタン指数 45以上 45以上
90%留出温度 360℃以下 360℃以下
脂肪酸メチルエステル
(FAME)
0.1質量%超
5.0質量%以下
0.1質量%以下
トリグリセリド 0.01質量%以下 0.01質量%以下
メタノール 0.01質量%以下
酸価 0.13mgKOH/g以下
ぎ酸・酢酸およびプロピオン酸の合計 0.003質量%以下
酸価の増加 0.12mgKOH/g以下

注記:バイオディーゼル燃料としてFAMEを0.1質量%以上、5質量%以下混合した軽油と混合していない軽油とを区別する為に、それぞれを“軽油(B5)”及び“軽油(B0)”と記載する。

また、国内で用いられている軽油(B0)に対して、質量分率で5%を超えない範囲で混合して用いるFAMEの要求品質を規定するため、JIS K2390が2008年に制定された。この規格には、FAMEのエステル分、密度、動粘度、硫黄分、リノレン酸エチル、メタノール、金属分含有量など25項目の要求品質が規定されている。

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2. 性状

ディーゼルエンジンに使用する燃料としては、着火性、動粘度、低温特性、潤滑性が適切な範囲であることが必要である。

(1)着火性

ディーゼルエンジンでは、燃焼室内で圧縮された空気に軽油を噴霧する。その際、軽油は自己着火により燃焼を開始する。よって、軽油は適切な着火特性を持つことが重要である。この自己着火性の指標がセタン価(日本ではセタン価に替えてセタン指数を使用することが一般的)である。セタン価の数値が大きい燃料ほど自己着火しやすい燃料である。

一般的には、芳香族系炭化水素に比べ、パラフィン系炭化水素のほうがセタン価が高い。

(2)動粘度

動粘度は燃焼室内に噴霧された軽油の霧化(燃料の粒径)に直接影響しエンジンの燃焼性に影響をあたえる。また、動粘度が過度に低いと燃料ポンプ等の磨耗につながる場合がある。よって適切な範囲であることが重要である。

(3)低温特性

軽油は、温度が下がると軽油中に含まれるパラフィン分が析出し、燃料フィルター閉塞などのトラブルが発生する場合があり、季節・地域に合わせた号数を使用する必要がある。JIS K 2204(解説)には、低温特性の観点からみた軽油のガイドラインが示されている。

JIS規格では、低温特性の指標として、流動点、目詰まり点が規定されている。

(4)潤滑性

軽油の潤滑性は脱硫によって低下し、ディーゼルエンジンの燃料噴射装置に影響をあたえることが知られている。日本の既販車のディーゼルエンジンの多くが硫黄分0.5質量%当時の性状に基づき設計されていることにかんがみ、“当面、硫黄分0.5質量%当時の潤滑性を維持することが望ましい”という認識がある(JISK2204解説より)。このため、一般的な日本の軽油には潤滑性向上剤が配合されている。

(5)硫黄分

軽油中の硫黄分はエンジン排出ガスの低減システムに悪影響をあたえるため、車両の排出ガス規制の強化にともない燃料中の硫黄分濃度も低下させてきた。

自動車用軽油の硫黄分規制は、1992年から、従来0.5質量%であった硫黄分は0.2質量%以下となり、さらに、1997年からは0.05質量%以下、2004年からは0.005質量%(50質量ppm)以下、2007年1月からは0.001質量%(10質量ppm)以下へと段階的に低減されてきている。10質量ppm以下は“サルファーフリー”と呼ばれており、日本の石油業界は世界に先駆けて2005年1月よりサルファーフリー軽油の出荷を開始した。

軽油のサルファーフリー化によって、ディーゼル車の排出ガスの更なるクリーン化、および、サルファーフリーの特性を生かした排出ガス低減システムを搭載した燃費のいい車両が登場することにより、CO2の削減も期待されている。



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