燃料研究

新規アロマ製造技術

新規アロマ製造プロセスの開発

ベンゼン、パラキシレンなどのアロマ製品は、今後もアジアを中心に需要が伸びることが見込まれており、当社はアロマ製品を増産するための新規技術開発に取り組んでいます。その一例として、付加価値の低い原料(重油基材であるLCO等)からアロマ製品(ベンゼン、トルエン、キシレン類;BTX)をより高効率に製造できるFCA(Fluid Catalytic Aromaforming: 流動接触芳香族製造)プロセスを紹介します。

反応中に外部から水素を供給せずにBTXを高効率に製造

LCOからBTXに転換する従来技術としては、水素化分解プロセスから得られる重質ナフサ留分を接触改質装置にて処理する方法が知られています。(図1)。しかし、この方法では高圧の水素を多量に消費する必要があり、また、得られるBTX収率も必ずしも十分ではありません。これに対してFCAプロセスでは、反応中に外部から水素を供給せずに高効率にてBTXを製造することが可能です(表1)。

図1 既存のBTX製造技術とFCAの比較

表1 FCAプロセスの想定収率

生成物 収率, mass%
軽質ガス(水素含む) 5~20
LPG 5~20
BTX 30~35
灯軽油留分 30~45
コーク 3~7

循環流動床にすることで高いBTX収率を維持

FCAでは、気化させた原料などの流体によって触媒粒子を流動化させて反応を行う、流動床プロセスを採用しています(図2)。原料であるLCOが反応塔内に導入されると、気化した原料により、触媒は流動化され、同時に原料と触媒が接触することで反応が進行します。反応が進行すると、BTXを含む各生成物が得られるが、一方で触媒上には徐々にコークが堆積し、反応性が低下します。そこで、コークが堆積した触媒を再生塔に移送し、再生塔内に空気を送り込むことによりコークを燃焼させ、触媒が再生します。再生された触媒は再び反応塔内に供給され、反応に用いられます。こうした触媒循環を繰り返すことで、常に再生された触媒により反応を行うことができます。また、再生塔でのコーク燃焼によって触媒自身が加熱されるため、コーク燃焼は反応塔の熱源としての役割を果たしています。

図2 循環流動床による連続反応・再生プロセス(イメージ)

なお、本成果は経済産業省の補助金により一般財団法人石油エネルギー技術センターが実施した「重質油等高度対応処理技術開発」事業の一環として得られたものです。

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