研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 01 水素エネルギー

STORY 01 水素エネルギー 開発STORY  エネルギー新時代の扉を開く存在に、が目標
中央技術研究所 加藤惠美

加藤さんが好きだというヒマワリには、実は「私の目はあなただけを見つめる」という花言葉が。水素という新エネルギーに熱い視線を注ぐ、加藤さんにピッタリのセレクトでした。

Introduction

石油を中心とした化石燃料は、近い将来に枯渇する可能性が指摘されています。また化石燃料の乱用が、環境に多くの影響を与えてもいます。「化石燃料に依存しない、クリーンなエネルギーの開発」は、私たちに与えられた課題。そんな次世代エネルギーとして、今もっとも注目を浴びている水素について、加藤惠美さんにお聞きしました。

企業として、実用レベルへの到達が今後の課題

現在はどんな研究をされているのですか?

いま、環境に関してさまざまな問題が持ち上がっていますが、そのほとんどがエネルギー問題に帰結します。地球温暖化、資源の枯渇など、どれも化石燃料を使い、それを燃焼させることで起こるもの。しかも、この化石燃料は遠くない将来にはなくなってしまうと言われています。その前に、新たなエネルギーを開発しなくてはなりません。それも、化石燃料に依存しない、環境への影響の少ないエネルギーが。そんな次世代のエネルギーとして今もっとも注目を浴びているのが、水素です。私は現在、家庭用燃料電池で使われる水素を灯油やLPGから取り出す技術や燃料電池車への水素の供給を念頭に置いた、水素の貯蔵や輸送技術について研究を進めています。

加藤さんと水素の出会いはいつ頃だったのですか?

もともと、子どもの頃から人一倍環境には興味を持っていました。中学時代、塾でプリントが大量に配られると、「資源が無駄に使われている」と胸を痛めるような子どもだったんです。それで大学でも環境やエネルギーに関係のある分野を専攻としたのですが、そこで出会ったのが水素でした。いろいろと研究を進めるうちにそのクリーンさ、生成方法や活用方法などを組み合わせることにより、完全にクリーンなエネルギーサイクルを作りうるという、水素の持つ可能性の大きさにのめり込んでしまいました。そして卒業後も水素を研究したいと思い、当社に入社しました。今でも「趣味は水素です」と言いきってしまえるほどです。研究者以外の方に水素について説明する際もつい熱くなりすぎて、引かれてしまうことも少なくありませんが…。

現在、研究はどの程度まで進んでいるのですか?

石油燃料からできる水素を装置内でそのまま利用して発電する燃料電池。
このような形での水素利用研究はほぼ完成しており、家庭用燃料電池として商品化もされていますが、商品をより良くしていくため、さらに効率よく、コストをかけずに水素を取り出す技術の研究を続けていきます。
私たちの研究対象は水素という将来の社会生活の基盤となるエネルギーについてです。現在のエネルギーに取って代わるための技術開発が重要なテーマとなっており、一日も早く実用レベルに乗せることが、現在の課題だと思っています。従来から続けられている、石油燃料からいかに効率よく水素を取り出すかという研究も重要です。さらに、水素をどうやって運び、どのように貯めておくのか。また、石油以外のエネルギーから水素を作り出す方法はないか。こうした問題をクリアしてクリーンな水素社会の構築を目指していきます。

エネルギーの開発は、社会的転換を起こす大事業

新エネルギーが開発されると、社会が大きく変わりますね。

確かに水素を中心とするエネルギー社会が到来すれば、その影響は社会のあらゆる部分に及ぶと思います。20世紀までが石油など化石燃料の時代だったとするならば、21世紀は新エネルギーの時代となるはずです。人類は今、その新しい時代の扉に手をかけるところまで来ています。そして、もしかすると私自身がその「水素社会」の扉を開ける存在になれるかもしれないのです。

そう考えると毎日の研究にも熱が入りますね。

そうですね。ただ、先程「人類」と言いましたが、現在進めている研究はそれくらいスケールの大きなものです。当然10年、20年あるいは50年といった長いスパンで考えなければいけません。そうなれば扉を開けるのは別の誰かになるかもしれませんし、それどころか水素以上に有益な次世代エネルギーが開発されることだって有り得るのです。ただ、そうなっても私は構わないと思っています。

いいのですか?

もちろん(笑)。どんなエネルギーの時代が来たとしても、自分が行っている研究が無駄になることはないと思っています。エネルギーの問題は現代を生きる私たち全員に与えられた課題ですから、水素でなくても、次世代のクリーンなエネルギーによる社会構築の礎になれたらいいのです。定年を迎えたら、その次世代エネルギーを使って、世界一周旅行に行ってみたい。もしかしたら、宇宙旅行に行けるようになっているかもしれませんね。

家庭用燃料電池

次世代エネルギーとして注目を集める水素。現在商品化されている家庭用燃料電池ではLPGや灯油から水素を作り、発電、給湯を行っていますが、今後は石油だけでなく太陽エネルギーを利用した水素製造やバイオマスなどを原材料とする研究も進められます。

水素社会に向けた技術開発イメージ
水素社会に向けた技術開発イメージ
横浜旭水素ステーション
横浜旭水素ステーション

「ESSO」・「Mobil」は、エクソン モービル コーポレーションの登録商標です。ライセンス契約に基づいて使用しております。