研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 03 潤滑油

STORY 03 潤滑油 開発STORY 環境性能に着目し、これからの時代に合った潤滑油を
中央技術研究所 八木下和宏

いつまでも汚れることのない、劣化ゼロの潤滑油をめざす八木下さん。「清浄」という花言葉を持つユリは、そんな八木下さんにこそふさわしい花と言えるかもしれません。

Introduction

自動車には欠かせない各種の油。その中でも潤滑油は、そのクオリティが自動車の性能に大きな影響を与えます。八木下さんはそんな潤滑油の分野で、私たちにも身近なエンジンオイルの開発を担当。エンジンオイルの品質から、地球環境について考えています。

エンジンオイルの品質で、環境に貢献したい

輸送用の油の研究とは、どんなことですか?

自動車などには、燃料としてのガソリン以外にもさまざまなオイルが使用されています。私は、その中のエンジンオイルの研究開発を行なっています。自動車のエンジンというものは内部でピストン系やクランク系の部品が駆動し、いわば「擦れ合って」いるわけです。その摩擦を軽減させるのがエンジンオイルの役目なんですね。部品が擦れ合う際の摩擦が減れば、よりエンジン本来の性能が引き出されるわけです。

ガソリンスタンドなどで交換したりしますね。

車に乗られる方なら、ガソリンスタンドやディーラーでエンジンオイルの交換をされた経験があると思います。その際、さまざまなエンジンオイルがあったはずですが、高品質なエンジンオイルは摩擦が少ないぶん、エンジンの性能をより引き出すことが可能になります。それと同時に私たちが着目したのが、環境性能の部分でした。

というと?

まず、摩擦を低減させることから生まれる燃費の向上が挙げられます。また、擦れ合う部品と部品の間で「潤滑させる」油ですから、ずっと使っていれば細かな汚れが含まれるようになります。そうなると通常はオイルの質が劣化したということで、オイルを交換するわけですが、私たちは劣化しにくいエンジンオイルをめざしました。現在、約半年ごとや1万キロごとといったスパンで多くの方がエンジンオイルを交換していますが、このスパンを長くすることをめざしています。そうすれば、まず使用済みのエンジンオイルの廃棄量が減りますよね。それと同時に、エンジンも劣化しにくくなり、自動車の寿命も延びるわけです。今回開発したエンジンオイルは交換スパンを2年ごとあるいは3万キロごとに延長しています。次の目標としては、今回開発したエンジンオイルよりもさらに上の寿命を持つエンジンオイルを開発したいと思っています。

失敗も糧にできるのが研究開発の仕事

研究者に求められるものとは何でしょう。

いろいろありますが、子どもの感覚を失わない人、ですね。子どもの頃は誰もが「空はなぜ青いのか?」といった疑問を常にもっていたはずです。そうした視点を求められるのが、研究開発という仕事です。その一方で、最近の子どもたちを見ていると不安になることもあります。いま、子どもたちはテレビゲームのような、「既に出来上がったおもちゃ」でしか遊ばなくなっています。私たちの時代はそうではありませんでした。ベーゴマにしろメンコにしろ、買ったままではなく、削ったり曲げたりして自分なりに工夫を凝らし、「誰にも負けないもの」を生み出していました。思い返してみると、あの頃はみんな「研究者」だったのですね。

自分なりのアイディア、ということですね。

そうです。研究開発とは未知の分野に挑むことでもあるわけですから、成功に至るまでの道筋には自分なりに工夫をし、アイディアを出さなければいけません。その過程ではたくさんの失敗もあると思います。ただ、それは「このアプローチでは上手くいかない」という結果を手にしただけのことで、決して無駄ではないのです。研究所の先輩たちの失敗談や、普段の会話の中にも、そんな新しい研究開発のヒントはたくさん隠されていると思いますね。

今後の目標についても教えてください。

環境を守るためにも、また地球資源の面からも、まったく劣化しないエンジンオイルを開発したい。それにより、子どもたちに綺麗な地球、環境を遺してあげたいですね。この仕事を続けていて実感するのですが、研究者にとって成果の大小は重要ではないのです。それよりも、与えられた課題や自分なりの疑問に対してきちんと答えを出すことが重要で、そういう研究者であり続けたいですね。例えば、イグ・ノーベル賞を受賞するような研究者が私の理想なんです(笑)。

環境配慮エンジン油

エンジンの性能を高めるだけでなく、燃費を向上させ、劣化を防ぐことにも貢献するエンジン油。今後日本でも一般車両に導入されるであろうディーゼルエンジンでの効果も認められています。

省燃費性と安全性・快適性を支える自動車用潤滑油の開発
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エンジンテスト(JASO)
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