研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 06 バイオマス燃料

STORY 06 バイオマス燃料 開発STORY クルマを、そして未来を動かすのはバイオマス燃料
中央技術研究所 小山成

小山さんが手にしている花はストック。花言葉の「逆境に堅実」は、まさに現在の環境問題に応えるバイオマス燃料を研究している、小山さんのための花といえるでしょう。

Introduction

ガソリンや軽油を燃焼させる際に排出されるCO2(二酸化炭素)の問題は、私たち当社にとっても重要な課題です。エコロジーの観点から、いかにしてCO2の排出量を削減するか。その答えの一つとなるのが、大気中のCO2を光合成して成長する植物を起源とするバイオマス燃料。「カーボンニュートラル」という考え方で環境への負荷が少ないこの未来の燃料について、実際にバイオマスによる軽油の開発を担当している小山さんからお話を聞きました。

循環型社会に貢献できる、植物油による軽油開発

どんなことを研究しているのですか?

一言で言えば、植物油を原材料に使い、軽油を作るための研究です。廃食用油を加工してバスの燃料に利用する試みが地域的に行われていますが、われわれは植物油を軽油と同様な、炭化水素に変換することを目指しています。現段階では、東南アジアなどで穫れるパーム油などを原材料として開発を続けています。また自動車会社との共同開発も進んでおり、来年度には東京都内で私たちの開発した軽油を使用したバスが実際に走ることになっています。

石油と比べてどんな点が魅力なのでしょうか?

まず、大前提として石油は限りある化石燃料ですよね。これを有効に使いつつ、新たなエネルギーソースを探すことは総合エネルギー企業である当社の使命だと思います。また、先にお話したように、カーボンニュートラルという特性によって、CO2の排出量を削減することもできます。さらに、今後日本でもディーゼル車の普及が拡大する可能性があります。日本ではディーゼル車には空気を汚すイメージがありますが、ディーゼルエンジンは熱効率が高く、ガソリン車に比べCO2の排出量を約20%削減することができます。現にヨーロッパではクリーンでパワフルな車として普及しており、フランスやスペインでは新車販売比率の70%以上を占めています。その高性能さも耐久レースとして有名なルマンで昨年はディーゼル車が優勝しているほどです。

カーボンニュートラルについてもう少し教えてください。

今、あらゆる分野でCO2の削減が叫ばれています。軽油を燃焼させればCO2が排出されてしまう。石油はもちろん、植物油を使用したとしてもその点で変わりはありません。ただ、植物であれば成長過程で光合成を行います。これによって大気中のCO2を吸収しているので、軽油となってCO2を排出したとしても、結果的にプラスマイナスゼロということになります。これが、カーボン(炭素)ニュートラルという考え方で、これから求められる循環型社会の中で重要な意味を持つのです。

研究者も社会のニーズを掴むことが大切

今後の課題としてどんなことが挙げられますか?

そうですね…、現在は研究範囲を植物油脂としていますが、植物油を使用すると食用のニーズとバッティングしてしまいます。それを避けるためにも、その他の油脂にも目を向けていきたいですね。捨てられてしまうような廃食用油や獣脂、つまり動物の脂などに適用できれば、より循環型社会に貢献できると思っています。また、開発中の軽油は現段階では低温になると固まりやすい傾向にあります。これを克服しないと、日本のような寒冷地のある地域で使用することはできません。この部分の解決策が、現状での一番の課題ですね。

こうした研究を続けていく上で大切なことは?

やはり、いろんなことに興味を持って見る目を養うことでしょうか。例えば当社の主力商品にハイオクガソリンの「ヴィーゴ」がありますが、数年前に「NEWヴィーゴ」に生まれ変わりました。そこにはお客様からのニーズが反映されているのです。私の開発している軽油に関してもクルマの進化から生まれるニーズを的確に掴んで、そこからアイディアを出したいと思っています。そもそも私が社会に出て研究職に就きたいと思ったのも、学問的な研究よりもモノづくりや販売に貢献したいと思ったからなんです。

では、研究者としての夢が叶いそうですね。

そうですね。実は免許を取った頃に乗っていたクルマがディーゼル車だったのです。ですから、実体験としてかつての軽油の問題点を語ることができるのですが、そのぶんエコでクリーンなこの軽油の開発が実を結べば本当に嬉しいですね。また、私はスキーが趣味なのですが、最近の暖冬や積雪の少なさからも地球温暖化の深刻さを実感しています。研究者としてでなく、一市民としても環境問題は社会における最優先課題なんだと思いますね。

バイオマス燃料

再生可能な生物由来の有機資源、バイオマス。中でも植物由来のバイオマスはカーボンニュートラルという観点からも自動車燃料への導入が考えられています。当社の燃料研究所ではこのバイオマス燃料の市場導入を想定した、ガソリンや軽油の適用性について研究を行っています。

バイオマス燃料

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