研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 10 LCフィルム

STORY 10 LCフィルム 開発STORY 「市場のニーズから新アイディア」が、この仕事の面白み
中央技術研究所 池田哲

JXTGエネルギーへ入社して3年目となる池田さん。研究者としてのこれからに、様々な夢を持っていることから、「期待、あこがれ」が花言葉のフリージアを選んでもらいました。

Introduction

当社では石油化学の技術を応用してさまざまな高付加価値商品の開発を行っています。その中のひとつが携帯電話の液晶画面に使われているLCフィルムです。携帯電話の他、携帯音楽プレイヤーやデジタルカメラなどの高機能携帯機器のモニタ画面にも用いられ、私たちの生活に不可欠な存在となったLCフィルム。ここでは、入社時からこの製品の開発に携わった池田さんから、研究開発の面白みや新人研究者ならではの思いを語ってもらいました。

携帯電話ならではの、激しい開発競争

どんな分野の研究を行っているのですか?

今の時代、殆どの人が携帯電話を持っていますよね。携帯電話にはいろいろな部材が使われていますが、その中の一つに液晶画面があります。ここで使用されているのが、私が入社以来関わってきたLCフィルムと呼ばれる先端材料です。LCフィルムは独自に開発した液晶性ポリマー※1材料と液晶配向技術により開発された商品で、携帯電話の他、デジタルカメラなどの液晶画面の画質を向上させる効果があります。私は主に、このLCフィルムの光学設計を行ってきました。液晶画面の見栄えを最高にするには、個々のデバイスに合わせて最適なLCフィルム構造を選択する必要があるのです。当社は石油メーカーから総合エネルギー企業へと変革を続けていますが、同時に石油を使った様々な先端材料の研究開発も行っており、LCフィルムもそのひとつなのです。

  1. ※1液晶性ポリマー・・・高性能プラスチックのこと。溶融状態で液体と結晶の中間に当たる特性を示すものである。

私たちにも非常に身近な製品ですね。

扱っている製品が、自分の生活に近いものというのは、実際に担当してみると非常に面白いですね。当社のLCフィルムは多くの携帯電話に使用されていますが、売り場で見ているとどのモデルに採用されているか、自分でもわかりますよ。また携帯電話業界は、現在の日本でもっとも活況を呈している分野の一つ。例えば2年前の携帯電話を目にすると、かなり古いモデルだと感じませんか?
新製品発表までのタームが短く、あの小さなボディの中に様々な分野の最先端技術が詰め込まれているのです。液晶画面もその一つであり、画質ひとつを取り上げても現在の液晶画面を1年前と比べてみても、非常に綺麗ですよね。最近は携帯電話でテレビも観られるようになってきました。今後も、より綺麗にという要求は高まっていくでしょうね。

市場のニーズがやり甲斐につながっているということでしょうか。

携帯電話業界が急成長したこともあり、ゼロからのスタートだった当社のLCフィルム事業も、今では当社の中で異彩を放つ事業の一つにまで成長することが出来ました。せっかくこの会社に就職したのですからエネルギーに関する事業に携わりたい気持ちもありましたが、LCフィルムの様にゼロから立ち上げる仕事もチャレンジしたいと思うようになりましたね。
かなり大変だとは思いますが、それだけ面白みもあるのではないかと思っています。

子供時代の負けず嫌いから、研究に没頭するように

開発競争の激しい業界ですね。

確かに時間がなく、期限を区切られた上で研究開発を進めなければならない点は苦労しますね。期限が近くなると、毎日のように夜遅くまで研究室に残って開発を続けます。また、大学院で学んでいた研究分野とは異なるフィールドなので、基礎となるバックグラウンドの知識がそれほどなく、その点も大変でした。そうした時は同じ研究グループの先輩に質問したり、図書館に行って調べたりすることで徐々に解決していきました。現在も、他の研究者の方と比べればまだまだ経験が足りないと思っているので、仕事を通していろいろな知識を得たり、情報を集めている段階です。そういう意味でも苦労は多いのですが、これまでの大学院での研究とは違うやり甲斐も感じています。それは、企業での研究というのはマーケットありきであり、自分もユーザーの視点で考えられる点です。また現在は技術営業のようなことも行っているので、クライアントの方と話す機会も少なくありません。お客様からダイレクトに「こんな製品があるといいんだけど」といったお話をいただくこともありますし、ディスカッションの中から新たなアイディアが生まれることもあります。

大学院ではどんな研究をしていたのですか?

主に応用化学の分野です。研究に没頭するとなかなか切り上げることが出来ず、「あともう少しやろう」とのめり込むタイプでした。大学院まで進んだのも、大学卒業時に「もう少し研究を続けたい」と思ったからです。のめり込むタイプというのは、要は負けず嫌いなんですね。実は私は三つ子なのですが、子どもの頃から勉強でも遊びでも常に競い合っていたことが、今につながっているような気もします。ちなみに三人とも陸上競技をやっていたんですよ。

新妻さんと同じですね。

新妻さんのように有名なランナーではないのですが、私もマラソンを続けています。社内に「ジョギング班」という集まりがあり、そこで一緒に走らせてもらっています。また、年に何度かある駅伝大会にも参加しています。とはいうものの、平日はなかなか忙しくて走ることは出来ません。土日はこのマラソンの他、学生の頃から好きだった映画などを楽しんでいます。こうした快適な毎日を支えるのが私たちエネルギー企業の社員の仕事ですから、今後も技術面で貢献していきたいですね。

LCフィルム

製品ロールの外観
製品ロールの外観

LCフィルムとは、液晶性ポリマーを精密配向させた光学フィルムのこと。独自のポリマー材料と液晶配向技術を駆使して開発され、優れた光学素子として携帯電話や携帯音楽プレーヤー、デジタルカメラなど高機能液晶ディスプレイ(LCD)製品に搭載されています。

フィルム断面の模式図

フィルム断面の模式図

液晶画面を色々な角度から見たときの写真

液晶画面を色々な角度から見たときの写真

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