研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 11 冷凍機油

STORY 11 冷凍機油 開発STORY   「エコ時代」を陰で支えるのは、冷凍機油かもしれません
中央技術研究所 下平恵子

新人女性研究員からお姉さんのように慕われ、良き相談相手にもなっている下平さん。
そんな落ち着いた大人の女性である下平さんには、「和」の雰囲気を盛り込んだ少しシックなブーケがしっくりくるようです。

Introduction

家庭で使用されるエアコンや冷蔵庫。電気の力で空気を冷やすには、冷媒が必要です。冷凍機油と呼ばれる潤滑油は、この冷媒をスムースに循環させるために不可欠なのです。冷媒として使用されているフロンによるオゾン層の破壊や地球温暖化が問題視される中、冷凍機油も時代に適した性能が求められます。
今回はこの冷凍機油の開発をおこなう下平さんにお話を聞いてみました。

冷凍機油はエコ時代の陰の主役かも

研究している冷凍機油とはどんなものですか?

油、とひとくちに言ってもその種類は食用油からガマの油と実に様々です。例えば、潤滑油も油の一つであり、社会の様々な機械で活躍しています。代表的なものは自動車のエンジンや産業機械に使われる潤滑油ですが、家庭でも潤滑油を使っている場所があります。それが、エアコンや冷蔵庫に使われる冷凍機油なんですね。エアコンも冷蔵庫も冷えた空気を作り出すために冷媒を循環させるわけですが、スムースに循環させるため、それぞれの冷媒に適した冷凍機油が必要になるのです。また、自動車のエンジンオイルなどの潤滑油であれば汚れたら交換するわけですが、冷凍機油の場合はよほどのことがない限り交換されることがなく、機械と一緒に寿命を全うします。そのため高い品質が求められると同時に、機械の進化に伴い、常に研究が必要な分野でもあるのです。

常に開発・改良が必要である、と。

そうですね。昔であれば、潤滑油の研究といえば低コストで高性能の製品を開発することが主流だったと思います。けれども今の時代、企業も環境保護に関して率先して取り組んでいかなければなりません。例えば冷蔵庫の冷媒にはフロンが使われているわけですが、約20年前にフロンによるオゾン層破壊が問題となり、代替フロンが誕生しました。潤滑油もこうした変更に対応して作り替えていくわけですが、現在、この代替フロンよりもさらに地球温暖化への影響の少ない冷媒も使用されています。そこで私たちはこうした新時代の冷媒にマッチするような冷凍機油の開発・改良をおこなっている真っ最中なのです。

エコロジー時代を陰で支えているわけですね。

そうですね。一般家庭を見渡しても、エアコンや冷蔵庫だけでなく、熱を放出する家電製品が増えてきています。たとえば自動車のエンジンオイルの性能を上げて燃費をよくするように、そうした製品を効率よく運転することにより、エネルギー消費を抑えることが可能となります。特に最近では一部屋一台となったエアコンや大型化している冷蔵庫の消費電力を抑えるような冷凍機油も使用され始めています。「エコロジー」というと水素や燃料電池、バイオマスなどに注目が集まっていますが、冷凍機油も目立たないけれどエコロジーに重要な役割を果たしています。むしろ、どこの家庭にも設置されている製品に関するものですから、重要度も高く、責任重大と言えるかもしれません。

女性の研究者だから気付くこともあるはず

研究職に就かれた経緯を教えてください。

子どもの頃からじっとしているのが苦手で、将来の仕事を思い浮かべたときも事務のような仕事は向いていないなという気持ちがありました。そして高校時代に工業化学を専攻したのがきっかけで、実験や研究の楽しさを体感。仮説を立てながら実験を進め、結果が出るのが面白かったのですね。こうした研究を社会に出ても続けたいと思い、当社に入社しました。当時は油の分析を主におこなっていましたが、油に関するグループを渡り歩き、最終的に現在の冷凍機油のグループに落ち着いたわけです。

そんな下平さんが考える研究者に必要なスキルとは?

冷凍機油は常に世の中の新製品を対象にしていることもあって、研究開発に終わりのない分野。だからこそ、というわけでもありませんが、常に現状のに満足せず、さらに上の成果を求める姿勢が必要だと思っています。また「カン」も必要ですね。もちろん闇雲な勘ではなく、様々な経験に基づいたものですが。そういう意味では、失敗も「カン」を育てると思っています。それともう一つ、女性ならではの細かいところに気付く点も、研究開発には役立っていると思いますね。

「女性の視点」がどんなときに役立ちますか?

企業での研究活動ですから、その過程で不必要と感じた箇所は、時にはバッサリと切り捨て、実験の密度を大幅に減らすことも必要です。その時に大切なことは、細心の気配りをもってポイントをしっかりと押さえること。女性の研究員は、こうした気配りができるように思います。最近は研究所内にも女性の研究員が増え、また彼女たちも私を慕ってくれるのが嬉しいですね。私は社歴が長いぶん、人脈を活かしてコミュニケーションの仲介役になることも。そんなときは自分自身が「潤滑油研究所内の潤滑油」になっているな、なんて思ったりしています。

環境対応冷凍機油

冷媒を循環させることで冷たい空気を供給する、エアコンや冷蔵庫。そのスムースな循環に一役買っているのが、冷凍機油と呼ばれる潤滑油です。冷媒の品質改良などが常におこなわれている現在、それに適した冷凍機油の開発が常におこなわれています。当社の環境対応型冷凍機油は、環境保護の観点からもなくてはならない製品となっています。

家庭用エアコンのしくみ(冷房の場合)
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