研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 13 燃料電池

STORY 13 燃料電池 開発STORY   女性のニーズに応えるような家庭用燃料電池を
中央技術研究所 玉川晶子

学生時代からエコロジーに関心を持ち、社会に出てから本格的に取り組むようになった玉川さん。
そんな玉川さんには、エコなイメージを醸し出すグリーンのブーケを選んでもらいました。

Introduction

当社は世界で初めて2005年にLPG仕様燃料電池を、2006年には灯油仕様燃料電池を製品化しました。さらに、より多くのご家庭で使用していただくため、さらなる性能向上を目指して、当社では現在も研究を続けています。そんな燃料電池の研究開発の現場で、問題点の抽出や検証をコンピュータ上でシミュレーションしている玉川さんにお話を聞いてみました。

学生時代に培った知識で、燃料電池の研究に貢献

燃料電池の開発をしておられるそうですが。

はい。当社は、世界で初めて2005年にLPG仕様、2006年には灯油仕様家庭用燃料電池システムを商品化しました。LPGや灯油を燃料として電力とお湯を家庭で作り出すことができます。燃料電池システムはエネルギーのロスが少ないことに加え、CO2の排出も抑えることができる、クリーンなエネルギー製造装置として注目が集まっています。私は発売直後に入社したのですが、現在もより一層の性能向上のための研究開発を続けています。

玉川さんはどのようなことを担当しているのですか?

私は主にシミュレーションを担当しています。これは燃料電池のシステムをコンピュータ上で再現し、その中でシステムの問題点を抽出したり、解決策を立てると同時にそれを検証する、という仕事になります。実は私の学生時代の専攻は機械工学で、大学の卒業論文でも小型燃料電池自動車の開発をテーマとしていたのですが、そのときは燃料電池自動車を走らせること自体が目標で、燃料電池は単なる発電機の一種として捉えていたんですね。燃料電池については原理の概要を知っている程度で、詳しいことはほとんど分かりませんでした。ですから入社してPEFCグループに配属されても、燃料電池を深く研究してきた同期と比べて出来ることは限られていました。そうした中、上司に「自分ができる『職』を探せ」と言われ、学生時代の研究でおこなっていた燃料電池自動車の燃費シミュレーションのことを思い出し、シミュレーションの知識を利用できるのではないかと考えたんです。

では自分から手を挙げたわけですね。

そうですね。入社当時には自分の仕事が分からなかった時期もありました。周囲も「この子に何をやらせればいいのだろう」という感じで。そんな、自分に何ができるのかと悩んでいたときに上司から「『職』を探せ」と言われ、シミュレーションのことを思い出し、そのことを伝えました。このように、当社にはやりたいことがあればやらせてもらえるような社風があります。他の企業に就職した大学時代の友人の話を聞くと、「ウチは随分と自由でアットホームなんだな」と感じることも多いですね。現在はこのシミュレーションの他に、システムの設計や使用するポンプや熱交換器などの部品の選定なども少しずつやらせてもらっています。

「お得感」をきっかけにエコロジーを捉えることも重要

そんな玉川さんの研究スタイルは?

私の性格として「ツボにはまれば強い」という部分があります。言い換えればツボにはまらないとなかなか進まなかったりするのですが…(苦笑)。学生時代はそれで許されても、社会に出たらそうもいきません。もがいて、あがいて、何とか糸口を見つけるようにしています。当社は中央技術研究所以外にも燃料電池の研究開発拠点をもっており、そこに出張し、普段の研究とは違うデータを見ながら糸口を見つけるといったこともおこなっています。ただ、そういう経験を重ねてきたせいか、「ツボにはまる」確率は高まってきているように思います。また、学生時代は一人で考え込むことが多かったのですが、最近はいろんな人の意見を聞くことも多いですね。私のまわりの研究者も、自分自身の研究の枠にとらわれない研究活動をしている人が多く、いろんなアドバイスをしてくれますから。

頼れる先輩が多いわけですね。

確かに、研究所のほとんどの人と顔見知りなのですが、「この分野に関してはこの人に訊け」と言われるような先輩がたくさんいます。誰もが先程もお話しした『職』をもっているわけですね。私もまずは、現在の主な仕事であるシミュレーション分野の知識を深め、今以上に自由にシミュレーションを操作できるようになりたいと思っています。それを自分の『職』として、周囲から頼られるようになりたいですね。企業の研究においては、スピードが求められます。そこで、市場から得られたTry&Errorの結果を、シミュレータに反映させることで、開発の精度や効率の向上が可能になると考えています。そうした意味でも、シミュレーションの重要度は今後も増すことはあっても減ることはないでしょうから。

今後はどんな分野に進んでいきたいですか?

今はまだ入社2年目ですし、担当している燃料電池システムも市販化されましたが、更なる性能向上を目指しています。より多くのお客様に燃料電池システムを選んでいただくためには、小型化も必要ですし、もっと効率を良くすることも重要です。また最も重要なことの一つがコストダウンです。家庭におけるエコロジーへの注目度が、主婦の方を中心とした女性の間で高まっていますが、燃料電池システムは、その期待に応えられる製品と考えています。そして女性層に強くアピールできるポイントは、この燃料電池システムがどれだけ光熱費の軽減につながるかという「お得感」だと思うんですね。「地球温暖化防止のため」といった考え方だけでなく、「お得感」をきっかけに、エコロジーに興味を持ってもらえることもアリのはず。私も女性ですから、「お得感」に敏感な女性のニーズを捉えられるような製品を作っていきたいと思っています。

家庭用燃料電池システム

灯油やLPGなど石油系燃料から水素を取り出し、電力とお湯を同時に作り出す家庭用燃料電池システム。エネルギーのロスが少なく、CO2の発生量を削減できるなど、エコロジー時代を担う家電として注目を集めています。

燃料電池システム設置イメージ図 Fuel cell system establishment image figure
燃料電池システム設置イメージ図
Fuel cell system establishment image figure

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