研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 14 キャパシタ材料

STORY 14 キャパシタ材料 開発STORY   オーケストラも研究開発も、大切なのはチームワーク
中央技術研究所 五十嵐一公

学生時代はオーケストラサークルで、そして現在は研究開発チームで、自分なりの力を発揮し、演奏曲や研究内容をまとめ上げることに尽力してきた五十嵐さん。
そんな五十嵐さんにふさわしい花はズバリ、「協調」を花言葉とするグラジオラスです。

Introduction

落雷などにより電源の瞬間的な電圧低下が発生したとき、電力を放出して電子機器への影響を軽減する瞬低補償装置。そこでは、キャパシタという製品が重要な役割を担っています。当社ではこのキャパシタに使用される電極材料を開発。今回は、キャパシタ材料の研究に携わっている五十嵐さんに研究開発の面白みや、キャパシタの今後の可能性などについて聞いてみました。

事業化に近い分野を研究することの面白み

どんな研究をされているのですか?

電気エネルギーを蓄えたり放出したりする、キャパシタと呼ばれる蓄電装置に関する研究開発です。キャパシタの中で使用する電極材料を開発しているのです。キャパシタの特長として、急速な充放電の繰り返しに強いこと、メンテナンスフリーであること、そして重金属を使用していないので環境にいいこと等が挙げられます。こうした特長を活かし、瞬低補償装置やフォークリフトなど、瞬時に大量の電力が求められる分野で活用されています。当社ではキャパシタ用電極材料の事業化を目指しており、市場開拓を進めています。ユーザーの方とのコミュニケーションや期日までにサンプルを提出するなど、気を配る点も多いですが、早期の事業化を目指し日々努力しています。

その中で五十嵐さんは何を担当しているのでしょう。

現在は、より高性能な材料を開発するため、評価用のキャパシタで充放電特性を測定し、そのデータを製造側へフィードバックするという作業を担当しています。充電した電力をどれだけ放電できるか、といったことですね。キャパシタは評価方法がまだ規格化しておらず、どのような評価方法で行えば皆が納得できるデータになるのかが定まっていない点が苦労しますね。キャパシタメーカーさんとディスカッションしたり、講習会に出たりすることで、評価や材料の知識を深めている最中です。

ではどんな部分がやり甲斐なのでしょうか。

研究は上手くいくことばかりではありません。むしろ、失敗することの方が多いと思います。ただ、失敗したとしてもそこに何らかのヒントは残されているはずなのです。それを読みとって実験を行い、思っていたような結果が得られたときが嬉しいですね。研究開発という仕事において、苦労とやり甲斐は表裏一体です。失敗を失敗で終わらせず、そこから何かを学び取ろうとする姿勢が大事なのだと思いますね。

今後は分散型電源とのコラボレートに期待

五十嵐さんにとっての、理想の研究者像は?

先程の失敗を活かすということも重要だと思いますが、もう一つ、常に頭の中を整理整頓した状態にしておくことも研究者にとって重要だと思います。研究を進めていると、分からないことが山のように出てきます。それらを自分の持っている知識と有機的に結びつけ、頭の中に研究開発マップのようなものを描けるようになれるといいと思います。それができると、新しい情報もきちんと取り込んだ上で、研究開発を正しい方向に進めていくことができると思います。

そんな研究を進めるにあたって、JXTGエネルギーは理想的な環境ですか?

企業での研究は大学等での研究と違い、多くの人たちと連携を取りながら進めていきます。そうした中で、先輩たちのデータを読み解く力といいますか、目の付けどころに関しては勉強になります。私は学生時代にオーケストラサークルに所属してフルートを吹いていたのですが、オーケストラも研究開発も、皆で一つのものを作り上げるという点は同じです。研究の上でも自分なりの手法を確立し、それで貢献できればと思います。また、この会社は自分の思ったことはどんどん発信していこうという雰囲気が非常に強いですね。やりたいと思ったことを発信していると、チャンスを与えてくれる環境だとも思います。

キャパシタの研究自体は、今後どうなるのでしょうか?

先程お話しした瞬低補償装置やフォークリフトに限らず、その特性が活かせる分野はたくさんあると思います。例えば電気を使うハイブリッド車の加速時に放電し、制動力を利用して蓄電するとか。また、分散型電源とのコラボレートで、よりエネルギーを効率的に使うためのキーテクノロジーになるのではないかと考えています。当社では太陽光発電や燃料電池などの研究も進めていますから、それらと組み合わせるのもいいのではないでしょうか。その方向で研究を突き詰めていくことで、これからの社会で求められる、新しいエネルギーモデルを構築できればいいな、と考えています。

キャパシタ材料

キャパシタは蓄電デバイスの一種で、急速な充放電が可能であるという特性を活かし、社会の様々な分野で利用されています。当社ではこのキャパシタに使用する電極用炭素材料をニードルコークス(当社麻里布製油所で製造される製品の1つ)から製造。今後はハイブリッド自動車用蓄電器のコア技術になるのではと期待されています。

動作原理
電気二重層キャパシタの応用例
電気二重層キャパシタの応用例

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