研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 24 安全・安定操業を実現する防食技術

STORY24 安全・安定操業を実現する防食技術 開発STORY 腐食の原因究明と再発・未然防止で製油所・製造所の安全・安定操業を支援
中央技術研究所 河西崇智

幼い頃から、物事を論理的につなぎあわせて問題を解決する探偵に憧れていたという河西さん。いまも探偵のように旺盛な探究心と好奇心をもとに原理原則を追い求める姿勢には、「憧れ」の花言葉を持つひまわりがよく似合います。

Introduction

製油所・製造所の石油精製等の過程で予期せぬ腐食が発生し、装置がダメージを受けることがあります。その結果、環境負荷の増大や会社への損失を招くこともあり、防食は重要なテーマとなっています。そこで当社では、腐食の原因究明と再発防止や潜在化している腐食の芽を摘むためのチームを社内に設置。河西さんはその一員として、製油所・製造所の安全・安定操業を担保するため、日々研究に取り組んでいます。

原理をつかまえることに存在価値

どのような研究を行っていますか?

原油には不純物が多く含まれています。その不純物は腐食性の高いものが多いんですね。そのため、製油所・製造所の装置が腐食します。予想以上に腐食した場合にはトラブルが発生することがあります。仮に装置が腐食してトラブルになると、環境に負荷を与えたり、会社の業績に影響を与えたりすることが考えられます。そこで、製油所・製造所の安全・安定操業を図ることを目的に、腐食を低減するための防食技術の研究を行っています。

具体的にはどのような研究を行っていますか?

ひとつは、顕在トラブルの再発防止です。トラブルが発生した場合に、運転データ解析、腐食環境分析などを行い、なぜこのような現象が起きているのかの“原理”を把握し、原因を明らかにします。その後、原理に基づいた対策を立案し、製油所・製造所へ提案し、再発防止へとつなげていきます。
もうひとつは、潜在トラブルの未然防止です。先ほどの原理に基づいた対策を他へも展開することで、まだ顕在化していないトラブルの未然防止に役立てるわけです。また、新規原料を処理する場合や新たなプロセスを立ちあげる場合などに、私たちも計画段階から参画して発生しうるトラブルを予測し、潜在しているトラブルを未然に防ぐ検討も行っています。
ここでの原理とは起きている化学反応レベルのことで、ここまで明確にしないと対策が対症療法になりがちで、ほかへの応用が利かないことが多々あります。逆に化学反応レベルでの原理をおさえておけば、条件が変わった場合でも変化を予測可能となると考えています。その原理をつかまえるのが私たちの存在価値だと思っています。

研究のやりがいやおもしろみは?

私たちが検討し、提案した対策によって目に見えて腐食トラブルの件数が減少することですかね。たとえば、ある製油所で毎年起きている腐食トラブルがありました。当時、本社・製油所と研究所でワーキンググループを立ち上げ、検討し、その原因を究明し対策を実践しました。その結果、数年後には腐食が再発することがなくなりました。このように目に見える形で成果が出てくることにやりがいを感じますね。私は幼い頃から探偵物が好きで、犯人をただ見つけるだけではなく、犯行に伴って周りで起きた現象・問題までも説明・解決するある探偵の姿に憧れを持っていました。いまの研究はこれに似ていて、原理を明らかにすることによって、製油所・製造所で起きている腐食とは別に周りで起きている現象までも説明できることがあり、そのようなときには、また、別のおもしろみを感じます。たとえば、むかし腐食が起きていなかった装置が急に腐食し始めた理由とか、日々チェックしている分析値が腐食に問題ないレベルなのに腐食している理由だったりとか。毎日、探偵気分で研究をしています(笑)。

予測技術を磨いて腐食ゼロをめざす

研究者に必要なスキルとは?

やはり、常に起きている原理を追求することですね。今は防食技術に関する研究を行っていますが、以前はプラスチックのリサイクルの研究を行っていて、反応を進めるためにはどうするかという研究を行っていました。当時の防食技術のイメージは腐食というネガティブな言葉から、あまり良いイメージを持っていませんでした。ただ、本研究に携わるようになり、どちらの研究もやっている根本は同じで原理を理解し、反応を進めたいのか・止めたいのかの違いだけなんだと思うようになりました。そんなこともあり、どのような研究をやるにしても原理を理解することが重要だと思っています。

今後の研究について教えてください。

現在は、顕在化した腐食の原因を究明し、再発防止に重きを置いていますが、これと並行して未然防止に力を入れていきたいですね。私たちがめざす究極の姿は、“腐食トラブルゼロ”です。製油所・製造所で処理する原料性状や条件変化などから起きる腐食を事前に予測し、それを製油所・製造所に提案し実践できれば、腐食トラブルゼロに近づけると思っています。ただ、予測というのは非常に大変で、また、その予測に基づいて対策を立案しても、腐食を抑えられるかどうかは実際にやってみないことにはわからない部分もあります。でも、めざすのは、腐食ゼロとそれによる安全・安定操業です。そのためにも予測技術を今後磨いていきたいと思います。

これからJXTGエネルギーに入社する後輩たちへメッセージを。

学生時代に学んだ専門分野に縛られることなく、自由な発想でさまざまな仕事にチャレンジしてほしいなと思います。実際私も学生時代の専攻と現在の仕事は異なります。最初は戸惑いましたが、今では現象の原理を明らかにしていくことにおもしろみを感じています。当社にはいろいろな仕事がありますし、ひとつの研究を行う際にも異なった視点で見ることは重要と思いますので、入社していろいろなことを経験して、自分にあうものを見つけてほしいですね。

安全・安定操業を実現する防食技術

安全・安定操業を実現する防食技術

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