研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 28 次世代有機ハイドライド技術

STORY28 次世代有機ハイドライド技術 開発STORY 水素エネルギー社会の将来を見据え、新たなエネルギーシステム構築に貢献する
中央技術研究所 Willy Yanto Wijaya
ウィリー・ヤント・ウィジャヤ

再生可能エネルギーを学ぶためにインドネシアから日本の大学院へ。ウィリーさんは、デンファレの花言葉「有能」を感じさせるだけなく、流暢な日本語と人あたりのやわらかさで周囲の研究者と連携しながら、自身が強い興味を持つ研究に取り組んでいます。

Introduction

水素社会の早期実現が期待されるなか、水素を効果的・効率的に製造・貯蔵・輸送することが大きな課題となっています。一方、化石燃料の減少や二酸化炭素削減の社会的要請に対応するために、再生可能エネルギーを利用する技術も開発する必要があります。これら課題を解決する技術として注目されているのが、次世代有機ハイドライド技術です。ウィリーさんは、日々研究を進めながら、地球環境にやさしい次世代のエネルギーシステムへと発展することを思い描いています。

既存インフラを活用して水素の貯蔵・輸送が可能に

次世代有機ハイドライド技術とは何ですか?

次世代有機ハイドライド技術とは、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー由来の電力を用いて、トルエンと水からメチルシクロヘキサン(MCH)という有機ハイドライドを製造する技術です。有機ハイドライドを効率的に製造するためにはトルエン電解還元という技術が必要で、私はこの研究を行っています。MCHをよりたくさん得られるような高効率の電解還元技術を開発することが大きなポイントです。

次世代有機ハイドライドのメリットとは?

MCHには水素が大量に含まれています。しかも既存の液体燃料と同様に常温・液体で、長く保存しても問題がありません。そのため、製造から貯蔵、トレーラーによる輸送までJXが持っているインフラを有効に活用して、水素の貯蔵や輸送が行えるのが大きなメリットです。MCHは脱水素反応によって水素を取り出すことができますので、例えばMCHをサービスステーション(ガソリンスタンド)にトレーラーで届け、水素を取り出して車の燃料電池などの電力として利用するといったことも可能になります。将来の水素社会に向けて、コストパフォーマンスは重要な点ですので、既存インフラの活用は非常にメリットのあることですね。
また、当面の水素インフラ構築に向けては、製油所で製造した水素を用いることになりますが、将来的には次世代有機ハイドライド技術を用いて、再生可能エネルギー由来の水素も供給できるようにしていきたいと考えています。
さらに将来、MCHを用いて発電する技術を開発できれば、低環境負荷の電力を供給することも可能です。
このように、次世代有機ハイドライド技術が完成すれば、地球環境にやさしい次世代のエネルギーシステムになるのではと期待しています。

研究のやりがいやおもしろみは?

実験の結果をもとに、なぜこのような結果になったのか、その原因を仲間や上司と議論することが興味深く楽しいですね。ただ、急にトラブルが発生したり、予想しない現象が起きて、その原因がわからなかったりしたときは大変です。そういう場合は、リフレッシュが必要です。リフレッシュして、別のやり方やアイデアを考えることもありますし、突然インスピレーションがひらめくこともあります。

変わりゆくエネルギーの未来に寄与したい

研究者として社会に果たしたい役割とは?

現在はエネルギー業界にとって、非常に不確実性が高い時代と考えています。石油・天然ガス・石炭などは数十年後まではまだ足りていますが、これらの化石燃料が枯渇した後にはどうなるのか。最近、MITにいる研究者は、「化石エネルギーが枯渇した後、我々は石器時代に戻っていきます」といっていました。冗談のように聞こえますが、あながちそうともいえません。いまから将来の再生可能エネルギーを考える必要があるでしょう。50年後、100年後には、支配的なエネルギー資源は化石燃料からほかのものへと移行するのは確実です。それは再生可能エネルギーの可能性が高いと考えています。このようなエネルギーの未来図が変わっていく歴史的な転換に私は少しでも寄与できればと思っています。

どのような研究者をめざしていますか?

今回、私はデンファレの花を選びましたが、実は私自身はタンポポのような2つの特性を持ちたいと考えています。ひとつは幅広い見方です。タンポポの綿毛は風に吹かれて空高く舞い上がり、広いエリアを通過します。これは幅広い視野につながります。もうひとつは適応性です。タンポポは生育困難と思われる土地でも成長できます。皆さんの家の庭にも、JXTGの製油所のどこかにも。エネルギー業界にとって不確実性が高い状況のなか、将来も生き抜いていくためには、グロバールな視野と適応性が不可欠と考えています。

これからJXTGエネルギーに入社する後輩たちへメッセージを。

Be passionate, and be courageous to have dreams as high as you like.
Life without dreams is life not worth to live anymore.

高い理想と夢を持ち、情熱的に勇敢に頑張ってほしいと思います。また、夢のない人生は価値がない。夢がないと生きていてもつまらないと思います。もしまだ夢を見つけていないのであれば、これから見つけてほしいですね。JXTGには、新エネルギーをはじめ、さまざまな分野の研究開発があるので、新しい夢が見つかるかもしれませんね。

次世代有機ハイドライド技術

次世代有機ハイドライド技術

「ESSO」・「Mobil」は、エクソン モービル コーポレーションの登録商標です。ライセンス契約に基づいて使用しております。