研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 33 熱流体シミュレーション技術

STORY33 熱流体シミュレーション技術 開発STORY 熱流体シミュレーションを使い最先端の研究開発の支援と提案活動を実施
中央技術研究所 岩﨑俊之

モカラの花言葉「気品」のように、どことなく凜として上品な印象を与える岩﨑さん。通常の研究者とは趣の異なる業務に、自分でも驚くほどの興味と意欲をかきたてられ、熱心に取り組んでいます。

Introduction

研究開発には、さまざまな分析や実用試験、シミュレーションなどが必要です。当社では、燃料・潤滑油・先端領域・水素基盤の4領域研究所に加えて、試験分析、実用試験、解析・シミュレーションの3部門で構成されるソリューションセンターを設置。4領域研究所の研究支援を行うと同時に、研究開発の内容・方向性を基盤技術の観点に立ち、対等に協議し、提案する機能を備えています。岩﨑さんは、解析・シミュレーション部門に所属し、熱流体シミュレーションを活用した研究支援と解析結果に基づく提案活動を展開しています。

最短距離でプロジェクトを進めることを支援

業務内容はどのようなものですか?

熱流体シミュレーション技術を使って、研究開発や製造現場の課題解決をサポートしています。熱流体シミュレーションとは、空気の流れや温度分布といった流体の流れをはじめとする各種現象をモデル化(数式化)し、コンピュータ上で数値的に“模擬実験”を行う手法です。例えば、通常、ある装置をつくる場合、設計図を作成し、部品を試作して、組み立てて実験をして、改善点があれば改善して、再び実験する、といった手順を踏む必要があります。熱流体シミュレーションを使えば、それらをすべてコンピュータ上で繰り返すことができ、装置や製品の設計において、試作にかかる工数・コストを大きく削減することができます。また、単に依頼されたシミュレーションを行うだけでなく、得られた解析結果に基づいて、設計の妥当性や改善策まで提案するようにしています。

最近ではどのような支援を行いましたか?

有機ハイドライド脱水素反応器の開発プロジェクトでは、触媒性能試験の段階から協力しました。装置のスケールアップのたびに熱流体シミュレーションによる模擬実験を先に行い、設計図の段階で目的の性能に対する妥当性を検証します。その過程で、ここはもっとこうしたほうがいいといった改善策を提案し、十分に検討し改善したうえで、実際に製造します。こうして設計の妥当性を検証しながら最短距離でプロジェクトを進めることを支援しています。加えて、各種ケーススタディを行い、コンパクトでコストを抑えた装置設計の指針も提案しています。
製油所・製造所においてはトラブル対策の支援をしています。特に装置内に入って観測することのできない細かな偏流や温度分布を解析することにより、トラブルの原因究明や改善案の策定に役立てています。それが可能になるのも、実験では測定困難な部位の温度や気流状態、ガス組成などをシミュレーションにより3D情報として可視化できるからです。それにより現象の理解が深まり、装置トラブルの対応策や、原理原則に則った設計指針の提示といった高度なニーズにも応えることができます。

仕事のやりがい、おもしろみは?

私たちのシミュレーションが必要になるのは、有機ハイドライドのように、世の中にまだ出ていないものが中心です。そのため、会社の中の最先端のタネに関われること、その最前線で活動する方と話しながら仕事ができることがいちばん楽しく、やりがいのある点ですね。熱流体シミュレーションを使う際には、まず、担当者にインタビューすることから始めます。何に困っているのか。課題は何か。マイルストーンはどうなっているのか。事業の意味や時間の流れを頭に入れてからスタートするので、単にやれと言われてやるわけではなく、さまざまなことを一緒にやらせてもらっているという感覚も楽しいところです。まさか、こんなおもしろい仕事があるとは思いもしませんでした。

自分らしさを出せると仕事は楽しい

ご自身の研究方法とは?

私たちはシミュレーション技術を研究するというよりも、シミュレーション技術を使って課題解決を支援しています。その視点からいえば、現象の本質ってなんだろうというのを、ものすごく意識しています。もちろん研究者も本質を見ているのですが、我々が関わることによって、また違った視点から本質を見ることができると思うのです。担当者へのインタビューでは、表面的な課題だけでなく、根本的な部分についても必ず聞くようにしており、その中で相手の方々が本当にクリアしなければならない課題を見つけ、見きわめられる能力を磨いていきたいと考えています。

研究者として社会に果たしたい役割とは?

社内のさまざまな部署の方々とコラボレーションして、みんなで新しい価値を生んでいきたいと思っています。私は以前、燃料電池の研究に携わっていましたが、会社が大きいためか、そのときには知らなかったようなおもしろい方々が、あちこちにいらっしゃることに気づきました。そうした方々と会って一緒に仕事をして、共に何かを達成した経験を積み上げたいですね。また、技術というものは、それぞれの部署で眠っているケースがあります。素晴らしい技術を持っているのに、特定の担当者しか使えない技術というのがけっこうある。それを我々が掘り起こして、別の案件に応用して考える、あるいはその人を紹介してしまうといったことも可能です。こうして人と人、人と技術をつなぐだけで、大きな価値が生まれてくるのではないでしょうか。

これからJXTGエネルギーに入社する後輩たちへメッセージを。

自分自身が楽しくなるような方向で、上司や先輩にどんどん提案していってほしいですね。何かをやりたいと思ったときには、誰かにそれを言ってみる。そうすることで、自分らしさを出していけるようになり、仕事が楽しくなってきます。当社はエネルギー会社としてさまざまなことに挑戦しています。本当にすごい人たちが揃ってもいます。そうした方々の技術をしっかりと吸収して、それを起点に自分らしさ・自分の持ち味を出していってほしいと思います。同時に、自分らしさを伸ばすためには、自分にとっての土台をつくることも大切かもしれません。いろいろなことを吸収して強固な土台をつくることで、自分らしさもより高く伸ばすことができるかもしれませんね。

熱流体シミュレーション技術

熱流体シミュレーションは、流体の流れを初めとする各種現象をモデル化(数式化)し、コンピュータの中で数値的に模擬実験を行う手法です。本技術を用いることで、従来は装置の設計改善のため多数の試作、組み立て、実験の繰り返しが必要であった所、それらをコンピュータの中で行うことができ、時間とコストを大幅に削減することができます。また、実験では測定困難な部位の温度や、気流状態、ガス組成などを3D情報として可視化することができるため、現象の理解が深まり、装置トラブルの原因究明や、原理原則に則った設計指針の策定といったより高度なニーズにも答えることができます。

熱流体シミュレーション技術

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