研究者インタビュー ENEOSの花、咲かそう!

STORY 42 駆動系油開発のための最先端評価技術

STORY 42 駆動系油開発のための最先端評価技術 開発STORY 実機による評価を的確・迅速に行い、新たな潤滑油の開発を支える
中央技術研究所 山川 渉

実機評価のための装置の設置から、運転、データ分析、機器の劣化状況のチェックまで。知力・体力・技術を駆使して仕事に取り組む山川さんには、バラの花言葉「情熱」がぴったりです。

Introduction

自動車業界では、環境問題への対応をはじめとした新しい技術の開発が進んでいます。そのなかで、潤滑油に求められる性能もますます変化し高度化。省燃費性能はもちろんのこと、加速性能や静粛性能といった付加価値性能にも関心が高まっており、これらの性能を的確・迅速に評価することは、新たな潤滑油の開発に不可欠な技術となっています。実用試験グループの山川さんは、こうした背景のもと、最先端の評価技術を用いながら実機による評価を行い、潤滑油の開発をサポートしています。

装置設置から運転、データ分析まですべて担当

所属するグループの仕事内容は?

ソリューションセンターは、潤滑油や燃料油などの各研究所を横断的にサポートする役目を担っています。具体的には、潤滑油や燃料油の流体シミュレーションを行うグループ、性能評価を行うグループなどがあり、そのひとつに、私が所属する実用試験グループがあります。ここでは、研究グループがラボ評価した製品を、次のステップとして実機を用いて試験を行います。
私の場合は、潤滑油研究所が新たに開発した駆動系用潤滑油の実機評価を行っています。担当している油種はATF、CVTF、MTFなど多岐にわたり、進化する技術に対応するために技術情報の精査や新しい設備の導入計画の作成を行っています。また、我々だけでは知り得ることのできない技術に関しては、自動車メーカーと連絡を取り合い情報展開していただいています。その結果、最新の部品評価を当社で実施することができ、潤滑油の開発に貢献しています。

具体的にはどのような試験を行っていますか?

トランスミッションを例にとると、まず、広大なスペースの試験場に、実機であるトランスミッションと、それを動かすためのエンジンなどの機器を運んで設置します。これに開発中の潤滑油を投入して、実際にエンジンを動かし、トランスミッションを作動させて試験を行います。 通常の運転と同じように加減速したり、坂道を登ったり下りたりします。あるいは数時間連続で運転して、最終的に何万キロ走行させます。こうした試験によって省燃費性能をはじめ、加速性能、静粛性能などを測定します。
思うような結果が出なかった場合などは、試験が終わったあとのトランスミッションを分解して中身の部品を評価します。傷の大きさを測ったり、形状測定をしたりすることもありますね。それらの結果と、試験中の各種データをもとに、目標とする結果が出なかった原因を推測し、それを研究グループにフィードバックします。自動車メーカーとの共同開発の場合は、自動車メーカーに報告します。こうして次のステップへと進み、改良されてきた製品を我々が再び評価して、フィードバックする。目標値が達成できるまでこれを繰り返します。
時には研究グループに対して試験法の提案を行うこともありますし、良い結果が出なかった原因と対策についてアドバイスを行うこともあります。今後はそういった提案業務により注力できるよう、知識や技術を磨きたいと思います。

ハード(実機)とソフト(潤滑油)の双方からアプローチ

ご自身の研究方法について教えてください。

私の業務は、研究の業務支援です。研究所で開発された潤滑油を実機(車やトランスミッション単体)に入れて評価し、潤滑油の性能を確認します。そのため私の業務は、「種」が花になるための「水」を効率よく吸収し、「種」に「栄養(結果)」を与える「土壌(試験技術)」を育てていることだと考えています。正しい結果を得るために、試験法の理解はもちろんですが、出てきた結果に対し、なぜそうなったのか、試験結果に妥当性はあるのかを常に考えるようにしています。起きている事象をハード(実機)とソフト(潤滑油)の双方からアプローチして問題解決の糸口を見つけています。また、日々進化する自動車技術に対応できるよう常に自動車の技術動向には注目しています。その時に、どのように評価ができるかなどを考えるようにしています。そういった「考えること」が今の仕事に活かされていると思います。

研究者として果たしたい役割とは?

今後、地球温暖化対策が加速するなかで、キーワードとしてはやはり「電動化」と「省燃費」になると思います。より良い潤滑油を開発するためにさまざまな実験を行っていますので、正確なデータを迅速に提供することで、開発の加速に貢献していきたいですね。また、良い製品を作るためにはさまざまな会社が密に連携を取り合って開発を行っていくのが理想だと考えていますので、ハードルは高いですが、そういった環境を作ることができたら素晴らしいなと思います。

これからJXTGエネルギーに入社する後輩たちへメッセージを。

当社はアットホームな雰囲気の会社です。社員同士も仲が良く、プロジェクトに対して一致団結して取り組んでいます。これは、とても恵まれた環境だと思いますので、伸び伸びと仕事をしてほしいと思います。また、当社は総合エネルギー企業としてさまざまな研究を行っており、他の研究を知ることでそこから自分の研究のヒントを得ることもできるので、いろいろな人とコミュニケーションをとってほしいと思います。何よりも楽しく仕事するのが一番だと思いますので、気軽に相談できる仲間を作って大いに活躍してください。

インタビュー・ビデオ動画

駆動系油開発のための最先端評価技術

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